令和8年予算特別委員会|3月10日
ホームワークビレッジ
スタートアップ支援
池尻中跡地
成長企業への伴走
資金調達支援
ホームワークビレッジのスタートアップ支援
事業目的、運営体制、成果指標の妥当性を検証し、成長企業を育て区内定着につなげる実効的な支援への改善を求めました。
成長企業への伴走・資金調達支援
成長企業への伴走・資金調達支援について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
質問全文
令和 8年 3月 予算特別委員会-03月10日-04号
◆おぎのけんじ 委員 世田谷刷新の会の質疑を始めてまいります。
一昨年の九月二十六日に、東証グロース市場に一社上場を果たしました。ごっこランドという子ども向けの職業体験アプリなどを提供しているキッズスターという会社です。
実はこの企業は二〇一四年から二〇二〇年の四月まで、ものづくり学校、今のホームワークビレッジに入居していました。退去してから、すぐ近くの渋谷の神泉にオフィスを移転しまして、その四年半後に上場して、今なお順調に業績を伸ばしています。
当時から、今も取締役をやっている私の友人がおりましたので、ものづくり学校の時代からいろいろな話を聞いておりました。時間もありませんので、ほんの一部だけお話ししますと、そもそも移転せざるを得なかったのは、社員が増えて、借りたスペースが手狭になって、当時、館内で、ふだんあまり使われていないように見受けられた家庭科室的な広いスペースがあったそうです。そこに移りたいという申出をしたものの、あそこは区民貸出し用だからNGということで、結局、区内のほかの物件を紹介されることなく、やむなく退去せざるを得なかったということなのです。
ということもさることながら、そもそも入居した当初から、インキュベーション的なことをある程度期待していたのだけれども、入居者同士をつなげるようなこともなく、かといって経営相談に乗るわけでもなく、金融機関を紹介されるわけでもなく、運営サイドが極めてしゃくし定規的というか、役所的な振る舞いに終始していて、そういう意味では、入居しているときはとてもきつかったというようなことをおっしゃられていました。
上場を見据えた話というのは、ものづくり学校いる当初から進んでいたようで、当時の監査法人や主幹事となる証券会社もあそこに来て、打合せをしていたようです。
仮に、ものづくり学校がまともに運営されていて、かつ、あのまま施設内に残れたとしたら、当然ながらあそこに残って、事務局に上場基準の対策はできますかみたいな相談を持ちかけていただろうというようなことも話していました。
これ以外にも、ここで言えないような話をたくさん聞いてきましたが、今キッズスターは海外にも展開していますし、オフィスのある渋谷区と協働で、クリエーティブコンテンツを教育素材として提供していたり、ごっこランドというアプリを制作する体験ができるワークショップなども開催したりしています。
もし世田谷にいたまま上場していたら、区の取組にも貢献してくれていただろうし、そもそも起業・創業支援のモデルケースにもなったと思うわけですね。
要は、逃がした魚は大きいと思うわけです、たまたま私の知り合いがやっていたということもありますけれども。
私はこの間の一般質問で、ミドル期以降、つまり上場やさらなるスケールアップを狙っている企業が出てきた場合に、今対応してあげられるだけの器がホームワークビレッジにないのではないのかと問うたのは、このキッズスターのようなことが繰り返されてはならないと思うからなのです。
かく言う私も、過去、自分の経営していた会社で上場を狙っていた経験がありまして、結局上場はできなくて、他社に株式売却するという結果になりましたが、VCや銀行が出資してくれると、もちろんステークホルダーですから、いろいろなアドバイスをくれるのですね。でも、それが必ずしも同じ方向性のものではないので、そういうときの経営者はとても孤独なのです。
そのときに私も、行政の方々といろいろコミュニケーションしましたが、そういう第三者的立ち位置からのアドバイスはすごく貴重だし、救われるのです。
そういう意味で、ホームワークビレッジに入居している、あるいはサービスを使った、そのスタートアップまでに投資までしないとはしても、初期段階のみならず、この人たちなら自分たちを次のステージに連れていってくれるのではないかという期待感のようなものを、あのホームワークビレッジが持たせてほしいなと思うわけなのです。
今は企業が小さくまとまるような支援メニューばかりのように私には見えていまして、それはそれで結構ですが、成長期に入ったスタートアップへの伴走支援という視点も、ぜひもう少し力を入れていただきたいなというのが私の偽らざる気持ちです。
上場準備や、資金調達の方策や、法務や知財の対応や、そういう専門的、かつ戦略的な支援プログラムの構築を直ちに始めていただきたいということと、今、運営委員会の中に投資的観点を持ち得た専門家の方は一人もいなくて、これで成長期にある企業としっかり向き合える制度設計ができるのだろうかという懸念が湧くのですが、そういう方、もしくは企業でも構いませんが、運営委員会ないしはアドバイザリーボードのようなものでも構いませんが、そういう方を運営サイドに加えていただきたいという、この二点について区の見解を伺います。
◎北 経済課長 二問お答えします。まず、事業者の区内定着支援のほうです。
ホームワークビレッジは、産業活性化拠点として、入居事業者はもちろんのこと、施設を退去した事業者や支援施策を利用する事業者を含め、様々な事業ステージに応じた成長支援を行っていくことが重要であると認識しております。
事業拠点という点でも、ある程度事業が軌道に乗り、従業員数が増えた際、区内にはその規模に対応できるオフィスが少なく、やむなく区外に転出する選択肢も視野に入れなければいけないという事業者の声も伺っております。
今後も事業計画に沿い、お話のようなことがないよう、区内定着支援をしっかりとするとともに、一定規模以上の事業者に対しても成長ステージに応じた対応ができるように、運営事業者とともに支援策を検討してまいります。
次に、運営サイドに出資等に明るい事業者が参画すべきとの質問です。
ホームワークビレッジでは、アクセラレータープログラムやハンズオン支援事業など様々な事業者支援を実施しておりますが、ある程度事業が軌道に乗った成長期企業に向けては、さらなる支援策の充実が必要であると認識しております。
施設にてコワーキングスペースを運営している事業者は、事業成長支援に明るい事業者ともつながりがあり、こうしたチャンネルを活用して、専門的知見からのアドバイスや出資の可能性など、様々な角度から事業者を支援できるものと期待しているところです。
出資などファイナンス面の支援においては、経営への関与が付随しますので、今後どのような枠組みが成長期事業者にとってよりよい支援につながるのか、そのサポート体制と支援方法について運営事業者と協議してまいります。
◆おぎのけんじ 委員 その運営事業者に関わっている中にそういう明るい方がいらっしゃるのであれば、ぜひ運営サイドに加えていただきたいと思いますし、全国の自治体のやっているインキュベーション施設を見ていますと、やはりパートナー企業という制度をつくっているところは結構あると思うのです。やはり世田谷にもパートナーシップを組めそうな会社は、名前は挙げませんが、幾つかあると思いますから、そういうところへもちょっと視野を拡大して、取組の展望を描いていただきたいと思います。
何度も言いますが、莫大な税金と資産価値の土地を使った産業政策ですから、弱者救済ではなくて、やはり強いものをもっと強くするという考え方も持っていただいて進めていただくよう要望いたしまして、質疑を終わります。