令和4年第1回定例会|代表質問
DX
デジタル行政
旧池尻中学校跡地活用
新BOP
学童保育
放課後対策
公共交通不便地域
コミュニティバス
行政経営改革・DX推進
デジタル施策が個別最適に陥っている課題を指摘し、区民接点と庁内業務を一体的に改善するDXの推進を求めました。
旧池尻中学校跡地活用
旧池尻中学校跡地活用について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
新BOP・公共交通不便地域
利用児童の増加に対してスペースや人員が不足する課題を指摘し、安全で質の高い放課後環境の確保を求めました。
災害対策
災害対策について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
質問全文
令和 4年 3月 定例会-02月21日-01号
◆四十八番(おぎのけんじ 議員) 第一回定例会は、次年度の予算を審議する、つまり、今後の区民生活そのものに直結する非常に重要な議会であります。しかし、先ほどの区長招集挨拶からは、今後の区政運営の基本的姿勢も、中長期的なビジョンも全く伝わってきませんでした。相変わらず目の前の個々の案件をだらだらと説明されていましたが、区長は、区政運営の責任者であって、個別事業のスポークスマンではありません。我々が知りたいのは、各事業の各論ではなく、区政を中長期的視点から見詰め、数ある課題の中で何を優先すべきと考え、限りある財源とリソースをどう配分しようとしているのかというリーダーの姿勢です。
昨年の第四回定例会の招集挨拶では、デジタルデモクラシーの深化を生み出すDXを実現する、世田谷らしい地域行政の充実に向けて全庁挙げた検討体制の下で対応していく旨、力強く発言されていました。我が会派としても、今後の区政運営の最重要事項と認識しているDXと地域行政改革でありますが、今回の招集挨拶には影も形もありません。これこそがまさに区長の行き当たりばったり区政運営を象徴しているように思います。
また、本定例会に示された来年度予算案は、地域から福祉を向上させる予算という名前が示すとおり、保坂区政の通奏低音である弱者対策がさらに手広く、手厚くされた福祉一辺倒の予算内容となっており、このことからも、区長は、五年後、十年後の世田谷を見据えるどころか、目の前、足元のことしか見えておらず、我々とは区政運営に対する遠近感がまるで違うのだということが改めてよく分かりました。
令和二年度は予想に反して好決算となり、来年度は過去最高の税収が見込まれます。勘違いしないでいただきたいのは、こうした事態は、区長が卓越した行政経営手腕を発揮したからでも、現場の運営能力が高かったからでもありません。区民、事業者の皆さんがコロナ禍においても、血のにじむような思いで働いたことの結果としてもたらされたものであります。
最近の世田谷区行政には、こうした区長の近視眼的行政運営と予想外の好税収により、行政全体がモラルハザードに陥り、かつてなく緩み切ったムードが漂っているように感じます。しかし、区制九十周年を迎える世田谷区にとって、ここから先、百周年までの十年間は大変重要な期間と言えます。
区の人口動態には絶対数や構成比率の変化が生じ、新型コロナとの共生を強いられる環境下において、区民の行動も意識も変わります。これらを変革の機会と捉え、ぬるま湯から一刻も早く脱し、躍動感あふれる世田谷区政が展開されることを望む立場から、以下、自由民主党世田谷区議団を代表し、順次、質問、提案してまいります。
まず、我が会派が重要と考える案件の相次ぐ延期について伺ってまいります。
地域行政は既に一年延期された状態にあり、旧池尻中跡地活用は、昨年の決算特別委員会で検討延長が表明されました。公共交通不便地域対策は、砧をモデル地区に指定してから何も始まらないまま四年半が経過し、新BOPの喫緊の課題への対応も一年延期が表明されました。現在の世田谷区政において最重要とも言える案件がこれほどまでに検討延長、実施延期されるのはまさに異常事態であります。
さらに言えば、せたがやPayを活用した入浴券支給事業の実施までもが一年延期されたり、最近では、校庭の人工芝化のモデル事業実施に対し、突然の方針転換が示されるなど、行政全体の政策立案能力、政策修正能力、議会対応力等々が著しく劣化していると言わざるを得ません。
このような事態を招いてしまった全ての元凶は、区長、あなた自身にあります。ビジョンなきところにリーダーシップは生まれません。足元しか見えていないがゆえに、目指すべきゴールを共有することもできません。目下の行政大停滞は、そうしたリーダーの姿勢が十年かけて、知らず知らずのうちに行政組織をむしばみ、たまりにたまったツケが爆発した結果であると考えます。
何より許し難いのは、区長がこの異常事態を収束させようと動いた形跡、動く気配が全く見えないことであります。ここまでの事態を招いてしまった責任が自分にあると言えなければ、リーダーたる資質がそもそもないに等しいわけでありますが、なぜあなたはいつまでも平然としていられるのでしょうか。
区民の負託を受けた区長の務めとして、この停滞を招いた責任を認め、問題に真正面から向き合い、御自身の考え方と行動を改め、さきに挙げた案件をはじめ、区政運営全体の軌道修正に乗り出そうという気はないのか、見解を伺います。
延期案件について順次伺ってまいります。
まずは、地域行政制度についてです。
既に条例制定が一年先送りされた状態であるにもかかわらず、一月十八日に臨時の特別委員会を開催しなければならないほどに、議論の歯車はかみ合わず、混迷度合いは深まるばかりで、一年延期した意味が全く見いだせません。
私自身、これまで何度も発言していますが、区政運営の根幹をなすシステム、行政運営の魂とも言える地域行政制度のあるべき姿を、なぜあなた方自身が、明確に言語化できず、議会に対して堂々と説明することができないのか、なぜ外部からの意見を集めることばかりに執着するのか、それがゆえに議論が前に進まないということになぜ気づかないのか、皆目不思議でなりません。要は、区長以下、副区長、部長、課長に至るまで、誰一人議論する上でのよりどころとなるビジョンを持てておらず、だからこそ、議会からの様々な指摘に右往左往し、場当たり的対応を重ねた結果、自分たちでもどうしていいか分からない状態に陥ってしまっているのだろうと推察します。
しかしながら、問題を複雑にせず、シンプルに考えれば、都市部においては、集中から分散へという流れがあり、世田谷においては、地区重視、まちづくりセンター中心の行政サービスを展開していくことは必定であろうと考えます。したがって、この議論のポイントは、今後、DX推進とともに、行政サービスを再構築するに当たり、本庁に傾斜していた行政資源をいかに支所、まちセンへ配分し直すかという点に尽きると考えますが、区長はいかがお考えなのでしょうか。
いずれにせよ、区長の言葉で御自身が考える地域行政制度改革の核心が何なのか、今後の議論の土台となり得る明快な答弁を求めます。また、残された僅かな時間で、区長の思いをどのように現場に落とし込むつもりなのか、併せて伺います。
次に、DX推進について伺います。
区長の大言壮語とDX推進方針の乖離が甚だしいことこの上ありません。区長が一昨年、世田谷区行政の目指すところはエストニアだと発言されて以来、世田谷区はエストニア政府にどの程度近づけたのでしょうか。また、昨年来、区民に時間を返すというフレーズを好んで使われていますが、来る年度末の出張所の待ち時間、混雑はいかほど解消される見込みなのでしょうか。
DXにおいては、特にリーダーのビジョン、先見性が非常に重要になります。あるべき姿から逆算し、野心的な目標を掲げ、明確かつ具体的な指示を出し、現場を動かしていくことが求められます。しかしながら、区のDX推進方針には、向こう二年間の計画しか示されておらず、将来に向けてビジョンを明確にしていくと記されています。順番が完全に逆であります。区長、あなたが、理想像も、それを実現するための明確な目標やリミットも設定できないがゆえに、推進方針においても、やれそうなことだけをやれそうな時間をかけてしかやらない項目の列挙に終わっているのです。
DX推進に関する自治体間格差は広がるばかりです。最もデジタル化が進んでいる自治体として名高い石川県加賀市では、マイナンバーカードの交付率が、一年半前に一四%ほどだったのが、直近七二%まで跳ね上がり、約百七十の行政手続が電子化されています。宮元市長は、自らエストニアを訪れ、電子政府のありようを視察、体感してきたとのことです。ただ思いつきの発言しかしないリーダーと、行動して指示ができるリーダーとは全く違います。
今後、どの自治体も例外なく申請主義からプッシュ型行政への大転換を迫られます。受給資格があれば申請がなくとも給付するプッシュ型のセーフティーネットを構築することで、本当の意味で誰一人取り残さない社会が実現します。そのためには、一人一人にどのような情報をいかにして届けるかが避けて通れない重要なポイントになります。
本質的な意味でのワン・ツー・ワン行政を実現するならば、会津若松市や前橋市のように、区民一人一人に独自IDを発行し、個人を識別し、行政側が個別にカスタマイズされた情報を提供していくという手法が想定されます。渋谷区も来年度、多様化、高度化が進む、利用者に合わせた区政情報を提供するポータルサイトの構築費として一億二千万円を予算案に計上しています。そもそも区長の頭の中にそこまで踏み出す腹積もりがあるのかないのか、ないなら、区長が考えるプッシュ型行政とはどのような姿なのか、実現に向けた時間軸と併せ、具体的にお示しください。
また、DX推進とさきの地域行政制度改革は、区民サービス再構築における車の両輪であり、今後の世田谷区政にとって極めて重要なテーマであります。しかしながら、それらを統括する副区長が分かれており、片やコロナという非常時対応を抱えていることが、DX推進と地域行政改革の最大のネック、リスクになる可能性が高いと考えます。
そこで、区長に提案しますが、DX推進、地域行政、本庁舎整備の三事業に関して特命担当副区長を選任し、ここ数年の遅れを一気に取り戻すべきです。見解を伺います。
続いて、旧池尻中学校跡地活用について伺います。
ビジョン、リーダーシップに加え、もう一つ区長にないのが競争心であります。御存じのように、ふるさと納税は、ここ数年、一貫して減収幅が拡大し、累積減収額は二百七十億円以上に上ります。にもかかわらず、減収幅を改善させる努力もしなければ、区への寄附を増やす努力もしていません。区長は度々、返礼品競争にはくみしないとうそぶきますが、競争しないのではなく、競争できない、競争の仕方が分からないのです。
加えて、さきに指摘した好税収がもたらすモラルハザード、ここに極まれりと思わされたのが、来年度予算案の中の行政経営改革の一項目、税外収入確保策の推進であります。ふるさと納税の獲得として一億円、区有資産を活用した税外収入の見込みはたった二百万円であります。歳入は好調なのだから、ふるさと納税で幾ら流出しようが構わない、税外収入など増やさなくていいというメッセージが、このページから読み取れます。
そして我が会派が、さきの決算特別委員会において、旧池尻中跡地のハード面からの再検討、つまり資産価値に見合った収益を生む方策の検討を促したところ、昨年十二月の特別委員会において、飾りだけのシミュレーションと、シミュレーション結果とは全く関係のない区の認識が示され、収益化は難しいとの結論が一方的に示されました。これらを総括すれば、世田谷区には失われた税収を取り戻す意欲もなければ、稼ごうとする意欲もなく、そのスキルも実績も皆無であるということです。
ここではっきり申し上げておきますが、ビジョンもなく、リーダーシップもない首長が経営し、チャレンジ精神もなく、稼ぐ意欲のない行政組織がイノベーションなどとうたうのは笑止千万であり、そうした行政が手がけるインキュベーション施設が成功するはずがないのです。
この問題については、これまで我が会派として大きく二点注文をしてきました。一つは、ハード・ソフト両面から再検討せよという点、もう一つは、検討が深まらず、議論も十分でない状態で拙速に予算計上してくれるなという点であります。残念ながら、ハードの有効活用及び収益化という点についてはゼロ回答、ソフト面については、常任委員会において多くの会派から問題点を指摘されたままという状態で、来年度予算案に耐震補強工事費用、事業者募集経費が計上されました。
かくなる上は、我が会派として、さきに申し上げた関連予算の計上を取りやめ、経産部での検討もやめ、全庁的な視点から貴重な区有財産の有効活用策を速やかに再検討することを区長に求めるものであります。
改めてその理由を列挙します。本事業が中長期的に区の産業振興にどのような果実をもたらすのかというビジョンが極めて曖昧であること、今後の三軒茶屋の再開発計画との関連性やベンチャー集積地、渋谷の隣という立地条件、区内大学との連携など、外部要因への目配りができていないこと、入居企業獲得という点において、世田谷区ならではの競合優位性も、自治体間競争における勝算も全く読み取ることのできない凡庸な事業計画内容であること、産業振興公社、商業課における事業とのダブり、教育総合センターとの事業のダブりが生じていること、運営事業者とは、ただの賃貸借契約のみの関係性であり、企業努力を最大限引き出すための舞台装置が極めて脆弱であること、資産価値に見合うだけの収益を生み出せる機会があるにもかかわらず、本質的な検討をしないこと、計画が進めば、外構工事費用、また学校からの用途変更に伴う設備投資など、コストが大幅に膨れ上がる想定がされること、地域住民、関係団体からの理解が十分に得られていないこと、細かい点を言えばまだまだありますが、これらの課題が積み上がったまま耐震補強、事業者募集となれば、貴重な区民財産が都合三十七年間も塩漬けになることは火を見るより明らかであります。そうなる事態を看過するわけにはいきません。
さきに述べた我が会派からの提案に対する区長の回答を求めます。
次に、新BOP事業の今後について伺います。
我が会派は、これまで幾度となく新BOPの大規模化、狭隘化について警鐘を鳴らし、持続可能性がない現行制度の在り方の見直しを含め、数々の提案も行ってまいりました。事業自体が制度疲労を起こしていることは、何年も前から分かっていたにもかかわらず、区は見て見ぬふりを繰り返し、根本的な解決策を検討することもせず、放置してきたしわ寄せが児童と働く職員の皆さんに押し付けられてきました。このたびの民間事業者の活用一年先送りは、粗雑かつ性急な制度設計が招いた結果であります。
我が会派は、民間活力を導入すること自体に反対ではありませんが、整備誘導に関し、単に補助制度を用意するだけで、場所の確保を全て民間事業者に委ねるのはあまりに無責任であります。そもそも民間事業者の活用は、課題解消の一方策であります。民間事業施設が全て整備されるまでの間、課題が解消されなくていいということではありません。
一年延期するのであれば、民間導入の制度設計と並行し、普通教室の活用はもちろん、東京都が来年度予算案として示している認証保育所での学齢児預かり事業、また、区民センターなど公共施設の活用を含め、解消策を徹底的に洗い出し、各学校の実情と照らし合わせた上で、課題解消に向けた中長期的なロードマップを示すべきであります。
新BOP事業への定員制導入についての考えと併せ、区長の見解を伺います。
次に、公共交通不便地域対策について伺います。
平成二十九年度から砧をモデル地区に選定し、地区住民を巻き込み、定時定路線型コミュニティー交通導入の検討が進められてきましたが、勉強会やアンケート調査ばかりを繰り返している間に、コロナ禍となり、延期が常態化しています。一方、コロナ禍であっても、数多くの自治体が民間と連携し、実証実験を行っています。地方に限った話ではありません。
昨年、横浜市は、日産自動車、NTTドコモと提携し、レベルツー相当の自動運転車両によるオンデマンド配車の実証実験を、川崎市は小田急電鉄と組み、スマホアプリを使ったオンデマンド配車サービス、しんゆりシャトルの実証実験を行いました。さらには、AIを駆使して、利用者の予約状況に合わせ、バスの運行経路やダイヤを最適化するダイナミックルーティングバスの実証実験も、会津若松市をはじめ、数々の自治体で実施されています。
このようにデマンド交通に対する取組は枚挙にいとまがないわけですが、一方の世田谷区は、来年度予算にデマンド交通の需要予測アンケート調査及び分析経費を今さら計上するありさまであり、長年この問題を取り上げてきた立場として、大変強い憤りを感じます。区長は、先ほどの招集挨拶で、交通事業者を主体とした取組に捉われない、住民の暮らしを支える地域交通を創造することを検討する時期に来ていると発言されていましたが、そんな簡単なことに気づくまでに四年半も費やす自治体があるでしょうか。
所管部の時計の針が止まっている間にも、区内バス路線の廃止、縮小、変更が相次ぎ、区内の公共交通不便地域は着実に広がり続け、区民の不満は募る一方です。
この際、はっきり申し上げますが、DXも含め、こうした新しい取組を現場任せにしていても全く前に進まないのです。区長、あなたが明確な指示を出してください。検討せよという指示ではなく、いついつまでにこれこれ実現せよ、責任は自分が取るという指示です。来年度本件を劇的に進捗させるため、区長としてどう行動するか、明確にお示しください。
次に、災害対策について、まずは地区資源を活用した防災力の向上について伺います。
地域行政条例の検討議論の中でしばしば町会・自治会の持続可能性が指摘され、実際に地域で町会を運営されている方々からも、役員の高齢化、担い手確保の難しさなど、存続を危ぶむ声をいただきます。一方で、大規模災害が発生した際、指定避難所を開設することになりますが、その担い手は、地区の町会や自治会を主とした避難所運営委員会です。
コロナ禍を経験し、避難所運営の難易度はさらに高まりました。この組織存続の問題と、人命に関わる極めて重要な業務を託されているというアンバランスな状況を、先ほどの新BOPと同じように、行政は見て見ぬふりをしているように感じます。
一方で、地区における防災活動、災害時対応への興味関心をお持ちの方々、団体も多数存在します。例えば用賀地区では来月、地元商店街主催の用賀防災フォーラムが開催される予定です。地域行政制度改革の流れからも、今後、地区資源の徹底的な発掘がまちセンにおける最大のミッションになると考えますが、まちづくりセンターが防災を軸に、町会・自治会に限らず、商店街やPTA、おやじの会、地元企業、大学といった地区に根を張り活動する方々を束ね、いざというときに地区一丸となって対応に動ける素地をつくり上げることは肝要であります。
地区資源を最大限活用し、それぞれの地区特性に応じた防災活動、避難所運営を含む災害時対応を志向するべきであり、地域行政推進計画にも盛り込むべきと考えます。区の見解を伺います。
続いて、玉川野毛町公園拡張用地への避難所機能整備について伺います。
拡張用地については、令和五年度末の開園に向け、玉川野毛町パークらぼを中心に詳細が詰められていくことと思いますが、地元住民が抱える課題意識が、計画を詰めていく上で、どこまで考慮され、反映されるのか、不安視する声が少なくありません。
令和元年十月の台風十九号の際、野毛区民集会所が避難所として開設されたものの、内水氾濫の広がりにより閉鎖、野毛かいわいの住民は、暴風雨の中、国分寺崖線を上り、環八を渡り、二、三十分かけ、上野毛まちづくりセンターや尾山台中学校まで歩くことを強いられました。野毛には青少年交流センターがありますが、土砂災害警戒区域に入っているため、避難所としては使えません。また、野毛に程近い等々力一丁目にある高層民間施設も一部が土砂災害警戒区域に指定されており、活用の可能性が絶たれました。
そうした現状から、拡張用地に避難所機能を求める声が地域には根強くあります。現行のプランでは拡張用地に公園活動の拠点となる施設が設置される予定ですが、そこを使用するか、もしくは新たに区民集会施設を整備するなどして、災害時に避難所として機能するような形で運用することを強く求めます。
緑も大事ですが、もっと大事なのは、巨額の税金を投じ、取得した土地を地域課題の解決に資する使い方をすること、特に区民の生命と財産に関わることであれば、なおのことであります。計画策定が終わり、設計に入った段階でもありますので、区長の見解を求めます。
次に、ポストコロナのまちづくりについて、まずは既存事業の迅速な推進を求め、順次伺ってまいります。
令和二年度末の京王線連続立体交差事業における用地取得率を見ると、千歳烏山駅付近を含む第七工区は六〇・六%と、他の区間に比べ遅れが顕著であり、今後の事業進捗への影響が懸念されます。用地取得の主体は東京都でありますが、事業加速のためには、区も本気で汗を流すことが不可欠と、我が会派は度々指摘してまいりました。来年度予算案に再開発準備組合に対する助成経費が計上され、また、烏山総合支所に駅周辺整備担当課を新設することが報告されました。
これまでも先行取得した駅南口の旧国有地を、速やかにまちづくり事業の種地として活用し、区も土地権利者の一員として、計画予定地の皆様と同じ立場で努力すべきと強く申し上げてきましたが、このたびの組織改正と予算措置は、その決意の表れと捉えてよろしいのか、区の見解を伺います。
また、東急大井町線、東横線沿線においては、先月、東京都により自由が丘一丁目二十九番地区市街地再開発組合の設立が認可され、来年度には工事着手、令和七年度には、地上十四階建ての大型複合施設が自由が丘駅前に完成する見込みです。また、品川区の戸越公園駅付近における連続立体交差事業が着工準備採択されるなど、新たな展開が出てきております。
世田谷区としてもこの機を捉え、自由が丘周辺から上野毛にかけて存在する開かずの踏切の解消に向け、沿線各区と歩調を合わせ、東京都及び東急電鉄への働きかけを強めるべきであります。今後の具体的な動き方について伺います。
続いて、地区主体のまちづくりについて提案いたします。
コロナ禍により、人々の心理、生活のありようにも大きな変化が生じました。また、世界各地ではポストコロナを見据え、都市を再定義する動きが進んでいます。二〇二〇年、パリのイダルゴ市長は十五分都市計画を発表し、二〇二四年までに誰もが車なしで自宅から徒歩や自転車で十五分の圏域に仕事、買物、娯楽、学習、医療などの都市生活機能にアクセスできるまちづくりを目指すと宣言しました。オーストラリアのメルボルンでも同様に、二十分生活圏を実現するまちづくりが進められるなど、生活の全てを居住地の近隣で完結できる都市を目指す動きは世界各地で広がっています。
さきの砧地区における公共交通不便地域対策にせよ、野毛町公園拡張用地整備にせよ、地元のまちづくりセンターが絡み切れていません。長年議会から喫緊の課題として指摘されてきた買物弱者対策も、ごく一部の地域に限定された取組にとどまっています。区長のリーダーシップの欠如とともに、本庁による中央集権的な課題解決手法が限界であることもその一つだと考えます。
幸い世田谷区は二十八地区に分かれています。今後、地域行政制度の改革により、権限がまちセン、支所に移譲されるはずであります。世田谷の各地区においても、地区特性に応じたウオーカブルかつバイカブルで時間と空間を有効に使う暮らしが実現できるまちづくりを志向するべきと考えます。
シェアサイクルの導入や、地区に存在する空き家の有効活用、地区資源やデジタル技術の活用など、まちづくりに関わる企画、検討主体を地区が担うべきです。まずは際立った課題のある地区を皮切りに、そうした取組を推進できるよう、地域行政推進計画、また次期基本計画の検討過程において、地区主体のまちづくりを模索するべきと考えます。区の見解を伺います。
続いて、公共施設等総合管理計画における数々の問題点について、まず学校改築について伺います。
老朽化が進み、本来ならばペースを上げ、計画的に実施していかなければならない学校施設の全面改築について、毎年二校ペースで進められてきたものが、いつの間にか棟別改築に方針転換され、さらには、昨年度の事務事業見直しで真っ先に延期、先送りの対象となりました。
言うまでもなく、学校は子どもたちにとっての学びの場であるとともに、地域にとっても緊急時の避難場所、地域活動の拠点でもあります。地域のシンボルとも言える場の改築ペースを、一時の区財政の浮き沈みで緩めるものではありません。むしろ老朽化著しいと各地域から寄せられる改築要望の声に真摯に向き合い、改築のペースを年三校に上げるべきです。区長の見解を伺います。
次に、児童館未整備地区への対応について伺います。
総合管理計画において、未整備の八地区は、学校等との複合化を基本に計画的な整備を行うとしています。また、子ども計画(第二期)後期計画では、子どもや子育て家庭に身近な地区の中で、児童館を相談支援や見守りのネットワークの中核的役割と位置づけています。しかし、児童館の整備計画そのものが一向に見えてきません。
さきに申し上げた学校改築に合わせ、整備するとしても、その学校改築自体いつ実施されるかも分からない地区があります。その状態を放置するということは、区が掲げる子どもセーフティーネットの強度が地区ごとに異なることを行政自らが黙認するということであります。机上の空論ではなく、地に足ついた今後の整備計画を、整備手法も含め、具体的に示していただくよう求めます。見解を伺います。
次に、学校プールの共同利用について伺います。
昨年九月から十一月にかけ、玉川小学校のプールの授業を玉川中学校で行うモデル事業が実施されました。しかしながら、大幅な移動時間、移動中の安全確保の問題、教員の負担増など、いい話は入ってきません。年間三百万円の効果額のために、これほどまでに子どもと教員に負担をかける意味が分かりません。
一方で、来年度から改築工事が始まる瀬田小学校では、すぐ隣に瀬田中学校があるにもかかわらず、改築時にプールを造る計画となっており、この取組自体の整合性、一貫性が全くありません。
モデル事業を速やかに検証することと併せ、本件の抜本的な見直しを求めます。区の見解を伺います。
続いて、高齢者施策について、まずはeスポーツ活用推進について伺います。
プロ選手が生まれるなど、競技としてのブランドが確立されつつあるeスポーツですが、フレイル予防、健康増進、交流機会創出などの観点から、高齢者が楽しむ動きも広がっています。神戸市は、ISRe―Sportsという日本初のシニア専用eスポーツ施設を官民連携で二年前から開設しています。施設利用者は六十歳以上に限定されており、コロナ禍にあっても、多くの方がオンラインゲームやカードゲームなどに夢中になる様子が報じられています。
熊本県美里町においても、高齢者向けeスポーツ事業が二年前から始まり、毎月の脳波測定から、eスポーツに取り組んだ高齢者の九割に注意力向上の効果が現れたとのことです。
これまで区としてeスポーツをどう捉えるか確立されていないとの内情も示されていましたが、今後、区内における高齢者人口、単身世帯も増えていくことを考慮し、フレイル対策や交流機会確保などの観点から、まずは高齢者向けに具体的な取組を進めていくべきと考えます。区の見解を伺います。
次に、認知症損害賠償保険について伺います。
私自身、三年前に初めて質問し、この間、他会派からも頻繁に質問が重ねられてきた本件については、重要性は認識しているとされつつも、検討します、検討しますとの答弁が繰り返されてきました。また、来年度予算に地域から福祉を向上させる予算と銘打って、数々のセーフティーネット施策を強化している立場にありながら、区長がなぜこの損害賠償保険にだけいつまでも煮え切らない態度を取るのか理解に苦しみます。
他自治体での先行事例も数多くあります。専門家の意見も十分に聞いたはずです。リーダーとして判断を下せる材料はそろっていると考えます。本制度が必要だと思うのか否か明言し、いいかげんやるのかやらないのか、決断をしてください。答弁を求めます。
続いて、教育について、まずは先般示されました教育DXについて、世田谷区の見通しを伺います。
来年度予算案に、統合型校務支援システムの構築経費として五億円を超える額が計上されました。教育委員会の説明によれば、タブレット端末に蓄積された児童生徒一人一人の学習データと、校務支援システムに蓄積された学校生活のデータを一元管理するシステムになるということです。
気になるのは、このシステムの使い方であります。DXと言うならば、統合された情報を基に、各家庭との情報共有や、児童生徒一人一人についての指導、支援をプッシュ型で行っていくことを想定しているものと考えます。よもや教員間だけでの情報共有にとどまるのだとしたら、五億円もの多額のコストをかけ、世田谷独自のシステムを構築するメリットはないと考えます。
本件に関する教育長の見解を伺います。
続いて、川場移動教室を活用した環境教育について伺います。
里地里山の重要性は論をまちませんが、林野庁はカーボンニュートラル実現に向け、令和十二年度までに一億本の植樹を推進することを政策目標としています。こうした流れに沿い、五年生の川場移動教室において、里山保全活動の一環としての植樹作業をプログラムに取り入れることを提案いたします。
東京の水源、利根川流域にある川場村の里山を整備することは、村の環境をよくするだけでなく、下流域に住む我々の水資源を潤すことにもつながります。また、森林が増えることで森の保水力が高まり、昨今多発する河川氾濫を抑止する効果もあると言われています。
このことを子どもたちが理解し、植樹活動をすることで、実践的な環境教育を展開できると考えます。また、子どもたちが自分の手で植樹した森が生成されることで、川場村に一層の愛着を持ち、再び訪れるきっかけにもなると考えます。
川場村と連携の上、環境省の里山未来拠点形成支援事業制度や、新たに創設される気候危機対策基金の活用を視野に取り組むべきと考えます。見解を伺います。
また、子どもたちや区民の手によって生み出された川場村の緑を将来的に区のみどり率に連動させることができないか、併せて見解を伺います。
次に、次期基本計画について伺います。
来年度より策定に向けた議論が始まる予定ですが、我が会派として、平成二十五年度の基本構想策定時の反省を十分に生かし、今後の議論を進めていくことを求め、以下伺います。
区は、区民代表や有識者で構成する基本計画審議会のほか、区民検討会議の設置を予定していますが、区民の代表である議会の関わり方が不明確です。審議会から答申が出されるまでの半年間と、答申が出された後、それぞれのフェーズにおける議会の関わり方、また議会から出される意見等の取扱いについて、現時点での想定を伺います。
また、審議会での議論の主体はあくまでも区民です。基本構想審議会では、一部の有識者と呼ばれる委員が自由な議論を妨げる場面も多々あったと聞いております。審議会運営に当たっては、区長の恣意的な人選があってはならないのはもちろんのこと、区民が主体となって基本計画の理念を議論していく運営に努めるべきと考えます。
また、区と関わりがある団体、事業者などのステークホルダーの意見を集約し、審議会の議論に反映させるとしていますが、ステークホルダーとは誰のことで、どのようにして意見を集約し、審議会の議論に生かしていくのか伺います。
最後に、去る一月二十一日より開始された抗原定性検査キットの無料配布について苦言を呈します。
本件は、これまでコロナ対応において区が重ねてきた数々の失敗が全く生かされていない、まさに愚策の極みでありました。本件に係る補正予算案が可決されてもおらず、議会への説明も不十分なまま配布が開始され、当初一か月としていた配布期間は、需要予測を大きく読み違え、僅か七日間で終了となりました。
まん延防止等重点措置の初日に、行政自らがわざわざ密状態をつくり出すとは、常軌を逸していると言わざるを得ません。しかも配布されたキットは転売される始末であり、挙句の果てには、配布終了後も会場に終了を告知するための職員を複数配置していたという、にわかには信じ難い情報も区民の方から寄せられました。
運用は終始アナログであり、オンラインでの予約を受け付けることも、配布場所としてまちセンが活用されることもありませんでした。行政の思考回路が全くデジタルファーストになっておらず、集中から分散への思考転換もできていないことがよく分かりました。
これもリーダーの資質に起因するのでしょうが、世田谷区行政の発想力と想像力の貧困さは底が知れず、恐ろしさすら感じます。区長の思いつきに忖度し、現場は何も物申せないまま、付き従ってしまっているのだとしたら、もはや組織のていをなしていません。
このような事態を受け、我が会派からも、まずばらまきをやめ、必要とされている方に行き渡るようにすること、密をつくり出さない工夫を最大限講じることを求めましたが、当初予定されていた薬局での配布も、上記反省を全く踏まえず、無為無策のまま始めようとされていました。厚労省からの通達により、医療機関への配布が優先されることになり、薬局での配布は先送りされましたが、もしそのまま実施されていたら、区内各地で大混乱が引き起こされていたはずであります。
と思っていた矢先、先週の金曜日に何の前触れもなく、薬局での配布に関する資料が提供されました。国から急な要請でもあったのならともかく、質問通告後、何の議論も交わしてもいないのに、本会議直前にこのような方針をわざわざ示してくるとはどういう了見なのでしょうか。どこまで言葉を尽くせば、この悪癖が是正されるのか、茫然となるよりほかありませんが、もはや我々を軽視するどころではなく、挑発しているとしか思えません。
とにもかくにも本件に関し猛省を促すとともに、議会への情報提供の在り方を含め、この間の行政の一連の動きを徹底的に検証、総括し、今後のコロナ対策への反省材料として、速やかに議会に報告することを強く求めます。
現状第六波に多少頭打ち感が出てきたとはいえ、今後、第七波、第八波がいずれやってきます。世田谷区のあまりにも場当たり的、かつ短絡的、かつ軽率な行動により、これ以上区民の失望を招くことは許されません。区の対応を伺い、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 おぎの議員にお答えをいたします。
まず、区政運営の姿勢についてであります。
区内で新型コロナウイルスの感染が確認されて以降、私は、区民の命と健康を守るための感染拡大防止対策を区政の最重要課題として捉えまして、コロナ診療に最前線で当たる医療機関への直接の支援や、今回、今般のオミクロン株による爆発的な感染拡大に対応するための検査体制の機敏な拡充など、その時々の感染対策に取り組んできているところであります。
一方、コロナ対策に加えまして、現在の区政においては、地域行政制度改革や自治体DX推進など、昨年以来、度々招集挨拶でもその内容、意義についてお伝えしてきているところですが、区民生活に関わる最重要課題が山積しており、区民の参加と協働の下、丁寧かつ着実にこの改革を推進していく覚悟でございます。
御指摘の喫緊の課題について、議会の御議論もいただきながら議論を重ね、進めているところですが、検討や実施が延びることで、区民の期待や関心に必ずしも十分応えられていないことを踏まえて、改めて、副区長をはじめ、関係各部長に様々な角度からしっかりと議論を交わし、区としての方針を明確にし、それに向かって加速するよう先導していきます。
今後とも、九十万区民の暮らしを支えていく自治体の長として、区政課題の解決に向けて、自ら先頭に立ち、区議会とのビジョンを共有し、議論を深めながら、区政の発展を目指してまいります。
次に、地域行政制度改革の革新についてというお尋ねをいただきました。
地域行政制度の改革で目指すものは、地域、地区の住民のニーズとしての防災や防犯、介護、子育て、社会的孤立や貧困等、多岐にわたる地域課題の解決が具体的に求められている状況に対して、身近な行政拠点であるまちづくりセンターで総合的な行政サービスを提供し、各種手続や申請も簡便かつスピーディーに行える窓口改革は肝要だと考えております。
もう一つ重要な点は、まちづくりセンターの地区住民による参加と協働の回路を、デジタルの応用とデジタルデバイドにも配慮しながら進め、充実強化する取組であります。区政のボトムアップに向けて主体的な住民自治を進め、地区での課題解決力を高めることを基本方針としています。
本庁の行政資源の配分は重要な改革の観点と認識しています。まず、総合支所において、災害対策や保健福祉、子育て、まちづくりを一体的に実施する機能を高め、区民ニーズを全庁的な計画や予算に反映させる企画調整機能の強化を図り、地域経営の取組や成果が区政全体に反映、寄与するよう総合支所の充実強化を進めてまいります。
先月、まちづくりセンター職員と今後のまちづくりセンターについて直接議論する機会を持ちました。改めて地域行政推進条例の創設の意義やまちづくりの現場での工夫や課題を共有してきたところであります。
今後、職員との対話や議会での御議論を踏まえながら、区民の視点に立った地域行政制度改革を進めてまいります。
また、プッシュ型行政あるいは特命担当副区長というお尋ねをいただきました。
DXの効果は、デジタル技術の浸透により、区民生活をよりよきものに変革していくことにあります。具体的には、御指摘のプッシュ型行政の実現も含め、区民が自ら役所に赴いて申請することなく、該当する行政サービスを受けることができるようにすること、さらに、区民の視点からの行政手続の変革により、区民に時間を返す取組を進め、生み出された余力を、あるいは時間を福祉の相談窓口やまちづくりの合意形成に振り向けていくなど、対面サービスの丁寧な充実に向けて強化をしていくことを目指していくものであります。
エストニアのような電子政府の実現がいまだ理想ということになっておりますが、国の生い立ち、文化の違いなどハードルが高い部分は承知しながらも、今後、世田谷区民が求めるDXの将来像について、次期基本計画の検討と併せて、区議会の皆様とも議論を重ねてまいりたいと思っております。
また、来年度からの二年間は未来つながるプランに基づいて、区のDX推進を下支えする、庁内の情報基盤の整備と職員の人材育成に重点的に取り組みながら、オンライン相談の実施など、他自治体の先進事例も参考に挑戦を重ねてまいります。
引き続き、地域行政の推進とともに、新庁舎建設を契機としたDXを全庁挙げた取組とすべく、私をはじめとした特別職がリーダーシップを発揮し、コロナ禍による生活様式の変化も踏まえながら、来年度の組織体制においても、現在のICT推進課とデジタル改革担当課を一体化しまして、DX推進担当部を立ち上げ、民間からの専門人材も登用し、DXの推進体制を強化して取り組んでまいります。
このような認識の下、両副区長の連携を密に、全庁をリードし、取組を加速していきます。御指摘の特命課題に当たる先見性のある三人目の副区長の登用については、先進自治体における登用や役割も注視しながら、時期を逸することなくしかるべき判断をしてまいります。
次に、池尻中跡地についてであります。
十七年が経過した世田谷ものづくり学校ですが、廃校利用の好事例として、行政視察等を数多く受け入れてきたシティプロモーションの役割を果たしてきたと考えています。一方、同時に運営が長きに及んだこともあり、課題も大きくなってきたと認識しています。
旧池尻中跡地活用については、令和元年十一月の区民生活常任委員会で報告いたしました世田谷ものづくり学校事業の検証と今後の方向性についてをベースに有識者と意見交換を重ねました。基本コンセプトを作成し、サウンディング調査による多くの事業者との意見交換を実施してまいります。さらにこの間、区民、事業者、議会等の御意見を踏まえて、新たな産業活性化拠点として具体的な機能と運営委員会による事業運営、評価の在り方などについて検討を深めてまいります。
産業は、区民生活の基盤をなし、活性化を通して町のにぎわいや一人一人の豊かさの向上につながることから、主な機能としてお示ししている既存産業の活性化に取り組むことはもちろんのこと、起業、創業の促進、創造性やテクノロジーによる地域や社会の課題の解決、産業と連携した学びについても、社会状況が大きく変化する中、区内産業の将来も見据え、今、重点的に取り組むことが、ぜひとも必要だと考えています。
具体的に、二年にわたるコロナ禍の影響で大きく変わってきた社会の中で、飲食などのサービス業、小売、卸売業などの新たな挑戦への後押しや取組が遅れていますSDGsやDXへの支援などが急務であり、また、超少子・高齢社会、防災、環境をはじめとする地域課題の解決に産業面から、量的、質的両面からのアプローチを進めていくために、ものづくり学校のこれまでの歴史も生かしながら、産業支援の高いスキルを持った事業者を新たに誘致し、区もしっかりと関与し、伴走しながら、支援などを行う産業活性化拠点のプロジェクトは、この時代に有用なものであると考えています。
本年五月に現事業者との契約が終了します。施設は一旦止まり、空き家となりますが、閉鎖する期間を考慮し、新たな産業活性化拠点の整備につなげるために、今回、耐震補強工事など予算を計上しています。しかしながら、産業活性化拠点の事業内容については、議会などから引き続き御意見を伺う必要もあると考えています。また、池尻小学校の地域の保護者の皆さんからの御意見があることも認識をしております。
この先、まずは十年、区民の暮らしの向上へ貢献できる施設となるために、引き続き、しっかりと皆さんの声を聞きながら、具体的なコンセプトを分かりやすくつくり上げること、そして理解を得ることを進めるよう経済産業部に指示をしてまいります。
次に、公共交通不便地域についてです。
先ほど招集挨拶で申し上げましたように、来年度は砧モデル地区においてお話がありましたAIを活用したデマンド型交通についてのニーズ調査を実施し、実証運行形態を決定するとともに、実証運行の早期実施を目指していきます。
一方、議論が長引いていく中で、公共交通路線の廃止によって影響を受ける地域が出てきていることに、私自身、強い危機感を持っています。コロナ禍における乗客減は、どのバス会社でもさらに厳しいものとなっていることを踏まえ、交通事業者との取組という交通分野での課題解決にとどまらず、福祉的な観点から、高齢者の外出促進によるフレイル予防効果や地域の買物支援など、健康、福祉等、様々な分野での取組も、移動サービス、移動の保障として大きな役割がございます。
領域を超えた庁内連携による取組で事業手法を工夫しながら、交通不便地域での移動を支援する具体策を実行する、これを加速する指示をしっかりとしてまいります。
次に、学校改築についてであります。
区の財政見通しにおきまして、新型コロナウイルスの感染拡大状況や地域経済への動向など、令和二年度から厳しい見通しを持って持続可能な財政運営基盤を確保するよう努めてまいりました。依然として見通しは予断を許さない状況にありますが、子どもたちの学びの場としてあるのはもちろんのこと、災害時の避難所や地域の核となる区立小中学校の改築、改修については確実に実現をすべきものと考えています。
来年度の学校改築につきましては、課題となっていました区立幼稚園及び児童館といった合築施設の方向性を整理しまして、砧小学校をはじめとして三校の改築事業を再開いたします。
学校施設は、未来を担う子どもたちのために新しい時代の学びに対応した教育環境を充実させるとともに、学校施設のZEB化といった脱炭素社会に向けた持続可能な施設整備を推進するなど、一層効率的かつ効果的な施設整備をしてまいりたいと思います。
今後、多くの学校が改築時期を迎えることから、組織体制強化や財源確保を図り、全庁一丸となって、全区的な学校改築を進めてまいります。
次に、認知症損害賠償保険についてであります。
この認知症損害賠償保険事業については、地域づくりの取組を補完するセーフティーネットの一つとして大切であると考えています。区では、事故を未然に防ぐ地域づくりを優先的に推進しながら、令和三年七月に先行する自治体の取組状況を調査しまして、八月に認知症施策評価委員会の中で調査結果を速報として報告いたしました。十月には、認知症の御本人、学識経験者、関係機関等を構成員とするセーフティーネットについて検討する部会を立ち上げ、本年一月までに計二回開催し、見守りのネットワークとともに、損害賠償責任保険事業についての課題等をお示しし、意見を伺ってまいりました。
この中には、認知症の人は事故を起こす可能性があるといったマイナスイメージを助長するのではないかと危惧する声もいただきましたが、時間の関係もあり、議論はさらに継続中であります。今後は、認知症施策評価委員会での意見を伺うとともに、あんしんすこやかセンターや本人交流会、家族会などから広く意見を求め、議論の到達点を踏まえて、最終的に私自身が判断をしてまいります。
以上です。
〔中村副区長登壇〕
◎中村 副区長 私からは、新BOP学童クラブについて御答弁いたします。
新BOP学童クラブ事業につきましては、施設の狭隘化、大規模化、時間延長をはじめとする多様化するニーズへの対応など、喫緊の課題を解決する手法の一つとして、学校外の民間の放課後児童健全育成事業者の誘導を検討してまいりましたが、質の確保など様々な御指摘をいただきました。現在、民間の放課後児童クラブを含め、放課後児童健全育成事業の質を確保するための区独自の運営方針の策定に向けて検討を進めているところです。
こうした喫緊の課題の解決に向け、本年九月を目途に具体案をお示ししてまいりたいと考えております。また、各小学校における新BOP学童クラブの登録児童数や必要なスペースのほか、普通教室の状況、学校近隣の公共施設や認証保育所の状況などを改めて整理し、喫緊の課題解決に向けた段階的な取組を具体化してまいります。
新BOP学童クラブの定員制の導入につきましては、待機児童を出さないというこれまでの考えを基本に、普通教室の放課後の活用や学校外での民間の放課後児童クラブ誘導に加え、御指摘の認証保育所での預かりや公共施設の活用などの手法を併せ、慎重に検討したいと考えております。
以上です。
〔岩本副区長登壇〕
◎岩本 副区長 私から三点、順次御答弁申し上げます。
まず初めに、玉川野毛町公園に関して避難所としての機能を整備すべきという御指摘でございます。
玉川野毛町公園拡張事業では、安全安心の公園づくりを基本方針の一つに据え、自然エネルギー照明の活用や園外へ雨水の流出を抑える豪雨対策、公園活動の拠点となる施設では、災害時の活動も想定した防災機能を有する施設として計画をしております。現在、住民参加による基本設計段階の検討を進めており、これまで参加者の活動から、空間デザインを考えるパークらぼや公園予定地を一般に開放し、検証するオープンパークを実施し、多くの方々と公園づくりのプロセスを共有しながら検討を重ねております。
拡張区域に設置予定の公園活動の拠点となる施設は、日常的な公園の活動を支える施設であり、これまでのパークらぼ登録者が百五十名を超えている状況や、様々な活動実績などから想定すると、避難所となっている野毛区民集会所の床面積以上が必要となってくると考えております。
既に開園している区域の管理棟や二子玉川公園ビジターセンターも、風水害時に活用されておりますが、本施設も地域の実情を踏まえ、防災機能を十分に発揮できるよう整備してまいります。また、災害時の施設の運用につきましては、開園に向け、引き続き検討してまいります。
次に、千歳烏山駅周辺整備について御答弁申し上げます。
千歳烏山駅周辺では、京王線連続立体交差事業をはじめ、駅前交通広場事業及び都市計画道路事業が進められております。また、昨年六月の用途地域の変更や地区計画の策定等を契機に、新たなまちづくりのルールを活用した建て替えや駅前交通広場を含む南側地区における再開発準備組合の設立を目指した町の動きも活発化しております。さらに、駅を中心として広がる商店街では、地区計画等で生まれる歩行空間の使い方や、目指すまちづくりの在り方について意見交換を進めており、次世代に向けたまちづくりの取組は大変重要な段階に来ていると認識しております。
区としましては、時期を逸することなく、主要な地域生活拠点である千歳烏山駅周辺のまちづくりを着実に推進するため、烏山総合支所に専管組織を設けたものであり、戦略的かつ総合的に取り組む決意でございます。
最後に、ウオーカブルな町を志向し、地区主体のまちづくりを模索すべきという御指摘についてです。
世田谷区基本構想は、より住みやすく、歩いて楽しい町にするを掲げております。地区資源を最大限に活用して、地区の実情を区民とともに共有し、地区ならではの課題を我が町のこととして率直に話し合える環境づくりをまちづくりセンターが担うことが重要です。
今般の地域行政推進計画では、地区において、例えばまち歩きの活動を通して、防災、福祉、子育てなど地区を取り巻く実態や課題を区民とともに共有し、町会・自治会をはじめ、多様な区民が参加する機会を活用して、地区課題の取組をまとめていく、そのようなまちづくりセンターの機能充実をお示ししております。
一方、ハードのまちづくりの課題については、現在は総合支所や本庁の担当所管が計画づくりなどを担っており、地区における関係者への説明において、まちづくりセンターがその調整に携わっておりますが、その役割は限定的なものと認識しています。
地区の課題は相互に関連しており、地区の様々な資源を最も把握している地区の区民が主体となって、ハード、ソフトのまちづくりを推進する観点から、まちづくりセンターの役割や地区での取組について、地域行政推進計画の中で検討してまいります。
以上でございます。
〔渡部教育長登壇〕
◎渡部 教育長 教育DXの方向性について御答弁申し上げます。
議会の御賛同をいただいて、導入の実現に至った一人一台のタブレット端末を子どもたちは使いこなし、学びに関するデータについて、現在蓄積が進んできております。一方で、学校生活に関する情報は、タブレットとは別の校務用のパソコンで管理しており、教員は同時に情報を確認することはできず、現状では、御提案のいわゆるプッシュ型の指導について十分な対応ができない状態です。
今回の校務システムの統合とは、タブレット端末により蓄積される学習系データと出席情報や成績をはじめとする様々な校務系データの一元的管理を進めるものです。私たちは、これをダッシュボード機能という名称にしていますが、この利活用は、一人一人の学びの成果や学校生活の状況等を可視化し、児童生徒や各家庭との情報共有や個々の特性に応じた指導の提案などを視野に入れた効率的な教育効果の向上を目指すものです。
今後、統合型校務支援システムの導入に当たっては、教員のICT活用能力育成を進め、各学校の特色を生かしながら、個人情報の保護に留意しつつ、子どもたち一人一人の状況に応じた指導をプッシュ型で提供できるよう、多様な個性や能力を育む教育の実現に全力を挙げて取り組んでまいります。
以上です。
◎舟波 地域行政部長 私からは、地区特性に応じた防災活動等を志向し、地域行政推進計画に盛り込むべきについて御答弁いたします。
区民の生命と財産を守ることは区政の基本であり、日頃からの災害対策では、地区や地域においてきめ細やかな体制で臨んでおりますが、町会・自治会役員の高齢化や担い手確保の難しさなどの声を多くの地区において伺う状況でございます。
地域行政の条例化におきましては、地区における防災情報の発信と防災活動への参加促進に努めることをまちづくりセンターの充実強化として規定し、具体的な取組といたしましては、町会・自治会をはじめ、多様な活動団体や事業者、大学などが防災をテーマに、各地区での課題や取組を共有し、交流する機会を地区の実情に合わせて開催してまいります。
また、一堂に会する場づくりだけではなく、身近な場所での防災活動の様子を分かりやすく発信し、災害対策への興味関心を持っていただくことや、オンラインなども活用してワークショップを開催するなど、地区それぞれで工夫しながら参加のきっかけづくりに努めてまいります。
このような災害対策の取組が地域コミュニティーの核となり、顔の見える関係を深め、避難所運営などにおいても、多様な担い手で支え合うことができるよう、地域行政推進計画に盛り込み、取り組んでまいります。
以上でございます。
◎田中 道路・交通計画部長 私からは、自由が丘周辺から上野毛にかけての開かずの踏切解消に向けた今後の取組について御答弁申し上げます。
東京都が平成十六年六月に策定した踏切対策基本方針においては、世田谷区と目黒区の二区にまたがる緑が丘駅から等々力駅付近までの区間の大井町線と、自由が丘駅付近の東横線の両路線を合わせて鉄道立体化の検討対象区間として位置づけられております。こうした中、今年度より目黒区が自由が丘駅付近における都市基盤整備の方向性や、道路と鉄道の立体化の調査検討に着手しました。
本検討においては、世田谷区内の大井町線と東横線も含めた区間を対象に行う必要があることから、目黒区が設置した検討会に世田谷区も鉄道事業者などとともに参加しております。
開かずの踏切解消に向けましては、道路と鉄道の交差形式、鉄道と交差する都市計画道路の整備や、沿線地域のまちづくりなどについて、東京都、目黒区及び鉄道事業者などとの調整を行いながら検討を行うことから、相応の期間が必要となってまいります。
区といたしましては、引き続き目黒区及び鉄道事業者との連携を密にしながら、調査検討に参加するとともに、検討内容を東京都とも共有し、区内の開かずの踏切解消に向け、取り組んでまいります。
以上です。
◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、児童館未整備地区の解消について、今後の整備計画、手法について御答弁申し上げます。
区では、幅広い利用者や地域ネットワークを持つ児童館を子どもの見守り支援等セーフティーネットの中核と位置づけ、身近な地区ごとに整備することとしており、児童館未整備地区においてもセーフティーネット機能を損なわぬよう、隣接地区の児童館がその役割を担うこととしてございます。
一方、未整備地区における児童館整備を区の重要な課題と捉え、先日御報告させていただいた奥沢地区のほか、未整備地区における整備候補地を現在検討しているところです。候補地の選定に当たっては、児童館の機能を担うために必要な面積を確保する必要があり、敷地規模の大きな学校施設の改築等の機会を捉えて複合化を図ることが基本となりますが、未整備地区内における他の公共施設等の改築、改修の機会や跡地活用も含め、立地条件や早期の整備可能性など、よりよい条件にも柔軟に対応し、候補地を選定してまいります。
候補地や整備手法などの整備計画につきましては、公共施設等総合管理計画とも整合を図りながら、来年度を目途に策定し、お示ししてまいります。
以上でございます。
◎知久 教育総務部長 私からは、二点お答えいたします。
まず、学校プールの共同利用についてです。
学校に設置されているプール施設は、整備や維持管理に多くの経費を要しておりますが、その利用は一年を通して夏の時期のみに限られ、また、昨今の猛暑に伴い、水泳授業を中止せざるを得ない状況も生じております。こうした状況を踏まえ、複数の学校でのプール施設の共同利用や民間施設のプールの活用の可能性を検討するモデル事業を試行することといたしました。
令和四年度は、コロナ禍により今年度の実施を見送った民間指導員の派遣を含めた小中学校による温水プールの共同利用と、改築中の小学校における民間スポーツ施設を活用した水泳授業の二つのモデル事業を予定しており、学校や保護者等へ十分に説明をし、理解を求め、実施してまいります。
このモデル事業を踏まえ、子どもたちの安全面やカリキュラム調整、教員の負担などの課題整理とともに、経費縮減等を含めて効果を検証してまいります。
今後、議会はもとより、学校や保護者からの意見等を踏まえながら、令和五年度に小学校プール施設の今後の在り方を取りまとめる予定としております。
次に、川場移動教室を活用した環境教育についてお答えいたします。
川場移動教室では、子どもたちが自然に親しむ取組の一環として、宿泊施設周辺を世田谷川場ふるさと公社職員が、里山の現状や役割を解説しながら散策する里山入門プログラムや、林業や間伐の仕組みについて学び、実際に間伐材を材料に、箸やコースターを作成する体験活動等を行っております。
議員お話しの植樹につきましては、環境教育の観点等からも子どもたちにとって有益な体験活動であると考えます。一方で、川場村においては、平成四年に友好の森事業に関する相互協力協定を締結して以来、世田谷区民が参加をしまして、公社の健康村里山自然学校の森を育てる活動を行ってきており、現在は植樹後の林における間伐、枝打ち、下草刈りなどの段階に活動内容が移ってきております。
来年度の移動教室は、新型コロナウイルス感染症対策から一泊二日で実施予定であり、活動内容が制限される状況ですが、コロナ禍後の子どもたちが里地里山に必要とされる、こうした森を育てる営みを体験できるプログラムの充実に向け、補助金等の活用や関係所管、川場村との連携を視野に入れ、検討してまいりたいと考えております。
以上です。
◎長岡 高齢福祉部長 私からは、高齢者向けのeスポーツの活用についてお答えいたします。
コンピューターゲームの対戦競技であるeスポーツの活用につきましては、高齢者の健康寿命の延伸や単身高齢者の社会参加の促進につながる可能性もあることから、高齢者向けの取組として様々な形で始められております。民間では、ゲームを通じて健康寿命延伸の活動などを実践する人材の育成のための講座が開催されているほか、他自治体においては、ボールを持たないボーリングやカーレース、パズルゲームなどのeスポーツをフレイル予防や世代間交流の観点から活用している事例もございます。
eスポーツを介護予防事業に取り入れるためには、実施する会場や機材の確保、高齢者をサポートするスタッフ体制などの課題もございますが、区といたしましては、他の自治体等の取組事例や効果なども参考にしながら、フレイル予防や高齢者の交流機会の確保などの観点からeスポーツの活用について検討してまいります。
以上です。
◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは、区民が生み出した川場村の緑について御答弁いたします。
川場村における子どもだけではない様々な世代による豊かな自然体験については、区民が身近な緑への理解と関心を深めるきっかけとなり、身近な緑を守り増やす活動につながっていくものと考えております。
御提案の川場村における区民の森づくりと区のみどり33との連動についてですが、まずは、緑の基本方針の一つである緑と関わる暮らしを楽しみ、伝えるを推進するために、川場村での体験を区内での緑の普及啓発や人材育成の活動につなげていけるよう取り組んでまいります。
その上で、この取組をみどり33の目標の一つである緑に関する区民満足度と連動させた成果の見える化や区民が生み出した川場村の緑の評価の仕方について検討を進めてまいります。
以上でございます。
◎加賀谷 政策経営部長 私からは、次期基本計画に関しまして二点御答弁いたします。
初めに、策定におきます議会との関わり方についてでございます。
基本計画は、中長期的な展望を踏まえた区の最上位の行政計画であることから、様々な分野におきます専門的な知見や区民の視点などを集めるため、基本計画審議会を設置することとし、本定例会に条例を提案させていただいているところでございます。
区としては、審議会の答申を尊重しながら、区の考え方をまとめ、基本計画の骨子、素案、案と、具体化を図ってまいりますが、区民の代表である区議会において十分御議論いただくことが大変重要と認識しております。
審議会からの答申後につきましては、区民や区議会の皆様からしっかりと御意見を伺いながら、区としての案をまとめてまいりますが、答申前の検討段階におきましても、審議会における議論の内容等、随時委員会等で情報提供、報告を行い、御議論いただいた内容を審議会にも情報提供するなど、区議会の皆様と意見交換を重ねながら進めていきたいと考えております。
次に、審議会等の運営等についてでございます。今般提案いたしました基本計画審議会につきましては、審議会とは別に、仮称ですが、区民検討会議を設置し、区民主体による議論を行った上で、その代表者が各分野に精通した有識者とともに審議会に加わることで、専門家の知見と、区民の視点を合わせることができると考えてございます。
区民と有識者それぞれが分け隔てなくオープンで活発な議論ができるよう、審議会の運営にも配慮をしてまいります。有識者の人選につきましては、各領域からの推薦により特定の分野に偏りが生じないよう配慮した選定とし、大学教授などに限らず、専門的な知見を有する方を選定してまいります。
審議会は、有識者と区民の代表で構成しますが、区内には町会・自治会をはじめ、産業、教育関係、高齢者、障害者の団体など、日頃から活動されている団体や区民、事業者などが多数存在いたします。こうした審議会や区民検討会議だけでは拾い切れない様々な立場の方々からステークホルダー意見聴取として、アンケート、ヒアリングなどを行い、審議会の議論や区の検討に生かしてまいります。また、審議会のテーマによりましては、団体の方などにオブザーバーとして審議会にも参加いただくなど、柔軟な運営を目指していきたいと考えております。
以上でございます。
◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、抗原定性検査キット無料配布事業について答弁いたします。
都が昨年十二月下旬より感染不安を感じる無症状の都民の方へPCR等検査無料化事業を開始いたしましたが、一月十三日時点でも区内は三か所のみであり、区民から検査無料化事業に対する御意見を受け、緊急対応として、抗原定性検査キット無料配布事業を実施いたしました。
実施に当たりましては、二十八か所ございますまちづくりセンター等の活用も検討いたしましたが、一日でも早く感染拡大時期を逃さず配布するため、都がPCR等検査無料化事業を実施していない玉川、砧、烏山の各地域に一か所ずつ設置し、速やかな配布を目的に手続をなるべく簡素化して実施いたしました。
また、対象を区内在住及び在勤、在学と幅広くしたことによる多くの需要に対する配布キット数の見込みに乖離が生じ、さらに配布場所の十分な広さの確保とオンライン予約を活用しなかったことにより、長蛇の列ができてしまったことについては、緊急対応といえども反省すべきと認識しております。
加えて、より身近な場所での配布として延期としていた約二百二十か所の薬局での配布を、対象を絞り三月より開始いたします。実施に当たりましては、検査キットの供給状況も見定めながらの判断となり、区議会への報告も直前となってしまった点も含め、これまでの反省点と課題を生かし、様々な場面のシミュレーションを十分に重ね、事業実施に当たって多角的に検討を行うなど、一層真摯に取り組んでまいります。
以上でございます。
◆四十八番(おぎのけんじ 議員) 三点区長に再質問します。答弁は簡潔にお願いします。
まず、今答弁があった抗原定性検査キットの無料配布の件ですけれども、私も含めて我が会派の多くの議員が、それぞれ区民の方から非常にきついお叱りの声を多数いただいたので、薬局での配布はもうちょっと何とかしてほしいという思いで質問したかったんですよ。でも、また予算を可決もしていないのに、本会議の議論もしていないのに、本会議の直前に一方的にこうやりますとポスティングされてくるって、おかしいでしょう、どう考えても。
区長、私が申し上げた想像力の欠如ってこういうことを含んでいるんですよ。正直、危なっかしくてしようがないですよ、世田谷区の動きが。我々は、あなた方の追認機関でもないし、あなた方の尻拭い役でもないんですよね。我々は、区民の皆さんから様々な声を受け取っていますから、時間がないって議論をすっ飛ばさないで、限られた時間でもちゃんと議論して、いい施策にしていきましょうよ。私のところに伝わっていますよ、区長、伺います。
それから、池尻についても質問と答弁が全くかみ合っていないと思います。ここが課題ですとさっきも何点も指摘しましたけれども、それについて区長がどう思っているのか。全否定されるのか、部分一致しているのかを含めて、先ほどの答弁では全く読み取れません。ただ、本事業が必要だと思っていますからやりますと言っているにすぎないと思います。答弁の中で、議会などからも引き続き御意見を伺う必要があるとか、池尻小PTAなど地域の方から御意見があることも認識していますと述べられていましたけれども、意見を伺う必要性を感じるとか、意見があることを認識している段階じゃないんですよ。もうさんざん意見は言ってきていますし、再検討してくれとまで言っているんですから、いいかげん議論のテーブルに着いてください。
かつ地域の方にも真正面から向き合ってください。さっきの答弁は、結びですと、とにかく説明の仕方を工夫して、理解を得よと経産部に指示するというふうに私は聞こえましたけれども、それでは進展ないと思いますよ。もう一回、どう我々と向き合ってくれるのか、もう一度伺います。
それから、最後に、認知症損害賠償保険の件ですが、答弁で、時間の関係で議論が尽くされたと思っておりませんとありましたけれども、私が質問したのは三年前ですからね。それから、保険制度をつくると、認知症の方は事故を起こす可能性があるといったマイナスイメージを助長するという声をいただいた、これも毎回この答弁なんですけれども、部会からそういう意見が出たということですが、区長も同様の認識なんですか。セーフティーネットの制度をつくると、そういうマイナスなイメージが醸成されるというならば、区長は他区に先駆けて一生懸命児童相談所をつくったけれども、それによって世田谷区は児童虐待が多い町だねというパブリックイメージが生まれたんですか。それと同じことを言っていますよね、区長、伺います。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 まず、抗原検査キットの配布において、先ほど部長が答弁したように、多々反省点はございます。その点でいろいろ区民の皆さんにお声をいただいたことについては、率直に改めていきたいというふうに思います。
一方で、現在、新型コロナウイルスのオミクロン株、なかなかこれは減少の速度が鈍いといいますか、急減にはなっていない。繰り返し高齢者施設や、あるいは保育園、学童など子ども関連の施設で感染が相当数出ております。本来であれば、国として、抗原検査キットを相当数確保して、アメリカなどは一家庭に一定数を配っているわけですから、そういった対応が必要だったと思いますけれども、正直、我々としては、段階を踏んで、学校で行事前に、また高齢者施設で、また保育園でということで拡大をしてきた。一方で、薬局については、また大きな混乱が起きるんじゃないか、当然そういった混乱は起こしてはならないということで、両薬剤師会の会長とも所管部で相当議論をしていただいて、その点は工夫を凝らして、基礎疾患のある方、六十五歳以上の方に関して、お渡しをしていくというようなことで具体的ないわば教訓を生かしているというふうに聞いております。
この議会との議論については、そのような意味で、本会議の直前になってしまったことについてはおわびをいたします。また今後とも、この新型コロナウイルスの対策については、これからも続けていくことになりますので、しっかりと議論をさせていただきたいと思います。
次に、池尻中の活用についてなんですけれども、そもそも私自身も区長になって、四十回前後、ものづくり学校で様々なイベント、あるいは事業者の視察、あるいは様々な企画に呼ばれたり、あるいは毎年行われるパン祭り等、様々意見を聞く機会がございました。そのような意味では、決して空白、全くマイナスの十七年間というふうには総括しておりません。少なくとも、この池尻中跡地についての活用について総括を、先ほど答弁したように、数年前に出し、またその都度検討状況も皆さんにお伝えしてきたものでございます。
ですから、指摘いただいている事柄について、私としては耐震改修予算を認めていただいて、そして事業者をどう枠組みをつくっていくのか、その企画コンセプトが、ここは至らないんじゃないか、ここはないんじゃないか、あるいはこういう工夫はできないのかという意見については、率直に伺いながら、そこのコンセプトをしっかり絞り込んでいく作業を共にしたいというふうに考えております。
また、その地域の保護者の皆さんからの要望があるというような話ですけれども、率直にその要望にも耳を傾け、また、その話し合うということについて、やぶさかではないというふうには思います。
次に、認知症の保険について。
認知症についての悲しい事故がありました。そのことをきっかけにこの保険制度は非常に脚光を浴びたわけであります。一方で、既に導入している自治体も御承知のようにあります。ある中で、私たちとしては、どのような賠償実施例があるのかということもつぶさに調べてまいります。また、その認知症の方のみを補償対象とするようなことがいいのか、あるいは例えば行方不明等のことを考えるんであれば、他にも可能性があるような人たちも含めたセーフティーネットがいいのか、そこはしっかりとまずは御本人たちや、この評価委員会ができているというお話をしましたんで、一旦そこに投げている以上、そこのお話を引き受けて、最終的に私が判断するというふうに申し上げております。
◆四十八番(おぎのけんじ 議員) 質問の中で、区長には中長期的なビジョンが描けていないというような話をさせていただきましたけれども、だったら、せめて目の前のことにはくっきりと見ている課題については、しっかりと誠実に対応してもらわないと困ります。そのことを、特に新型コロナ対策においては、人の命に関わることですから、改めてお願いしたいと思います。
あと池尻の件は、確かに常任委員会で報告があったけれども、それに対して、我々をはじめとする議会からいろんな意見が出てきたわけですよ。その打ち返しが、打ち返されていないと思っているので、ここまでの議論になっているんです。それをしっかり認識してください。
続きは予算委員会でやりたいと思います。
以上で自民党世田谷区議団の代表質問を終わります。