令和2年決算特別委員会|10月9日
教員の資質向上
休職退職対策
図書館の未返却本
教員の資質向上・休職退職対策
教員の長時間労働や校務負担の実態を検証し、子どもと向き合う時間を確保するための業務改善と支援強化を求めました。
図書館の未返却本
図書館の未返却本について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
質問全文
令和 2年 9月 決算特別委員会-10月09日-07号
◆おぎのけんじ 委員 私からは、まず、教員の資質能力の向上という点からお聞きしたいと思います。
私は黒澤明監督の映画が大好きでして、よく見返すんですけれども、「七人の侍」だとか、「用心棒」とか、ああいう時代劇物も好きなんですが、一番よく見ているのは「悪い奴ほどよく眠る」という作品です。それはいいんですけれども、黒澤明監督の遺作となった作品に「まあだだよ」という映画があるんですけれども、教育長、これを御覧になられたことはありますか。
◎渡部 教育長 ございません。
◆おぎのけんじ 委員 大変すばらしい映画ですので、ぜひ見ていただきたいと思います。
内田百閒さんという作家さんが主人公の映画でして、もともと夏目漱石の弟子をされていた方ですけれども、百閒さんが作家になる前にドイツ語の教師をされていたんです。作家に専念するために学校を辞めるシーンが映画の冒頭であるんですけれども、先生が挨拶した後、生徒役の吉岡秀隆さんが立ち上がって、こういうことを言うんです。学校を辞めても、先生は先生です、先生は金無垢だ、混ざり物のない金の塊である、僕たちは先生からドイツ語のほかに、何かとても大切なことを教えてもらったような気がしますというようなことを言われて、百閒先生はそこで涙ぐむわけなんですけれども、教え子にここまで言われたら、先生としては、さぞかし感無量なんだろうなと思いますし、先生を辞めた後も、生徒たちが百閒先生の誕生日に毎年、摩阿陀会というのを開いて、恩師と教え子の親交を深めるというような姿が描かれている作品なんです。
私は、子どもたちに何を教えるかということは当然大事だと思いますけれども、誰が教えるかということのほうがもっと大事なんじゃないかなと思っています。映画の中で生徒たちが言っていた、何だかとても大切なことを教えてもらったような気がしますということは、その先生の持っている個性だとか生き方のようなものが生徒たちに伝わったからこそ生まれる言葉だと思いますし、それが年を取っても、いつまでも心に残っていると。私も何人か思い浮かびますけれども、恩師というのは、そういう存在なんだろうなと思うわけであります。世田谷の子どもたちにとっても、そうしたよき出会いが数多く生まれることを、議員としても、一保護者としても願っているわけであります。
ここ数年、教員の多忙化解消というものが声高に叫ばれてきていますけれども、世田谷区でも、給食費の公会計化ですとか、部活指導員だとか、スクール・サポート・スタッフの配置等々、年々強化されてきていると思います。
一方で、教員の労働生産性もそれ相応に上げていかなければならないということも、私は過去質問してきたわけですが、世田谷の子どもたちにとって、より質の高い教育機会が提供されるべきだと思いますし、教員の力量差が教育の質・量面に影響することがあってはならないという問題意識を私なりに持っていたからであります。
ただ、教員の指導スキルを上げるという以前に、残念ながら、世田谷の教員の方々の退職、休職の数字を見ますと、小学校では、昨年度、退職が三十二名、休職三十六名で、両方合わせた全教員に占める割合というのが三・八%なんですが、五年前から絶対数も出現率もどんどん上がっているわけです。私も小学生の保護者でありますけれども、年度途中で担任が代わってしまう、あるいは、休んだ先生の代わりを副校長先生がリリーフ的に担うというようなケースを見聞きしたことは、ここ数年で一度や二度ではありません。
退職の原因は様々あるということですが、休職となると、やはりメンタル面が支障を来してということがほぼだというふうに聞いております。この点については、私も保護者として、何とかならないのかなと思う一方で、新卒や若手の教員の方々には、確かに同情すべき点もあるなと思います。メンタルタフネスというのは、私は、経験が物を言う、特に失敗を重ねることで培われるというところもあると思いますし、大学を出て、それほどまだ社会の荒波にもまれていない若者がいきなり現場に出て、子どもだとか、保護者とか、地域の方々、あるいは、先輩の教員等々、いろんなタイプの方々と付き合わないといけないというのは、結構しんどいんだろうなと思うわけであります。とはいえ、先生は先生ですから、失敗は失敗として許されない部分は当然ありますし、昨今は先生の評判もすぐ出回ってしまう時代ですので、常に厳しい視線にさらされるというプレッシャーも相当あるんだろうなと思います。
教育長がおっしゃられるところの、誰も置き去りにしないという教育を実現する主体は先生でありますよね。ただ、教える先生がやむなく途中で離脱をする、辞めたくないのに辞めてしまうという事象を極力なくさないといけない。先生も置き去りにしないという取組も私は必要だと思うんです。
ここで教育長にお聞きしますけれども、休職・退職者が現状増えているというところへの認識と、辞めない、休ませないようにするためには、どんなことが必要だとお考えか伺います。
◎渡部 教育長 私は、教職を目指して学んで、念願の教壇に立てたという喜びをいつまでも忘れずに、日々、子どもの指導に当たることが大切であり、その環境づくりこそが大切であると身を持って感じています。私は自信を持って大切なことを教えられる教員になってほしいと思っています。
しかし、実際には、メールを主とするコミュニケーションが多い若い世代には、電話でのやり取りが苦手であったり、あるいは、社会全体の価値観の多様化などになかなか対応できない、または、子どもや保護者に向き合うことに日々ストレスを感じながら過ごす教員がいるということも事実です。このようなことに対して、学校はチームとして、組織的に課題解決を目指して、OJTを通じて実践的に学ぶということが重要だと考えています。
また、私は、OJTのみならず、研修にも力を入れていきたいというふうに考えています。日常の業務から離れて、冷静に学ぶことで、新しい発想が生まれたり、教育に向き合う力や自信などが生まれてくるというふうに考えます。今後、必要になる研修には、ICT教育に積極的に協働して取り組む力、または、子どもの変化に応じた教育の在り方を理解していく、そのようなものが考えられるというふうに考えています。
教職員がストレスに打ち勝ち、自信と誇りを持って大切なことを子どもたちに教えられるよう支援してまいります。
◆おぎのけんじ 委員 もちろん先生にも多様性はあっていいと思いますし、得手不得手も当然あると思いますけれども、先ほど石川委員もおっしゃられていましたが、要は、先生の指導力の土台となるような自力、ヒューマンスキル、総合力、具体的には、私は、コミュニケーションスキルだとか、耐久力とか、なめられない力とか、広い意味での対人能力だと思っていますけれども、これをいかに身につけるか、高めていくかが、特に若手教員の生命線だと思うわけです。
ここで具体的な提案ですけれども、今、教育長も御答弁で研修について触れられていましたが、今、企業研修などで導入が進んでいますレジリエンス研修は、精神的に苦しい場面から立ち直る力、回復力、打たれ強さなどを培うものですけれども、最近は小中学校でもレジリエンス学習を取り入れるところが出てきているようですが、私は逆にそれを教える先生、特に若手教員向けにレジリエンス研修をまずは徹底的に実施するべきだと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
◎毛利 教育指導課長 レジリエンスにつきましては、子ども、保護者への対応以外にも、外部との連携であるとか、折衝の際にも必要な力であるというふうに認識をしております。
教員の研修につきましては、初任者研修から中堅の研修、また、生活指導主任であるとか、それぞれ職層や専門に応じて、様々なものがございますけれども、委員御提案の研修につきましても、誰を対象に、どの時期に行うのかも含めて検討してまいりたいと思います。
◆おぎのけんじ 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
それと、先ほど教育長も御答弁されていましたけれども、現場で学ぶことがもっと有効かつ不可欠だと思うんです。学校ごとにこれまでいろんなケーススタディーというものが蓄積されてきているはずですし、日々、いろんな問題も起きているんだと思います。それを材料にして、こういう場合、どうするかということを若手教員に考えさせる。子どもに対して、保護者に対して、地域に対して、あるいは、教員同士の問題などなど、先輩教員と若手がディスカッションできるような機会を積極的につくっていくべきではないかと思うんですけれども、この点、見解を伺います。
◎毛利 教育指導課長 教員には、教科指導力のほかにも、保護者の方や地域の方、児童への対応力が求められており、各校では、東京都の人材育成計画に基づいて研修を実施しております。例えばベテランの教員が若手教員のメンターとなり、ペアで人材育成を行う取組や、中堅教員が若手教員を集めて、得意分野のミニ研修を行う取組など、各校が創意工夫を凝らして、日常的な仕事を通して人材育成を行う、いわゆるOJTの体制を整えることが大切であると考えております。
教育委員会においても、教員としての充実期を迎える中堅教員が同僚や若手教員への指導的役割を担い、OJTを推進していけるよう、引き続き指導助言をしてまいります。
◆おぎのけんじ 委員 まずできるところから始めていって、強靱なメンタリティーを備えるというところまでいかなくとも、子どもや保護者に対して、自信を持って向き合い、ちょっとやそっとのことではへこまないという教員が増えて、世田谷の退職、休職の人数自体も減っていくことを切に願います。
先生にとって、ここに今後ICTが入ってくるわけです。先ほど我が会派の加藤委員、石川委員からもありましたけれども、タブレット一人一台というものが実現をしてくる、Wi―Fiの環境も整ってきます。そして、ICT支援員さんも入ってくるということなどを考えますと、大分お膳立ては整ってきて、あとは先生のパフォーマンスがどこまで上がっていくのかが肝心だなと思うわけであります。
先ほど石川委員からも教員全体のスキルアップについて質疑がありましたけれども、それは当然、やっていただくとして、今後、ICT支援員が各学校現場に入ってくることを考えますと、彼らと対等に話せるような、エキスパートとまではいかなくとも、ICTの高度人材と呼べるような先生が各学校に二、三人いるべき、いてほしいと私は思うんですが、この点、教育委員会としてはいかがお考えですか。
◎隅田 副参事 教育委員会といたしましては、区内の教員からICTに関するエキスパート人材を発掘、育成するために、各学校にエキスパートの資質を備えた教員の選出を呼びかけ、大学や民間企業と連携しながら、専門的な知識や技能を重点的に育成してまいります。また、教員が行った授業の動画や、指導案、教材などの優良事例をほかの教員と共有するためのデータベースを構築するとともに、ほかの教員とのオンラインミーティングを通じて、そのノウハウを広く全校に広げてまいりたいと考えております。
◆おぎのけんじ 委員 ぜひがんがん進めていただきたいと思いますし、役所もそうですけれども、学校もICT人材の確保というのは、これからの大きな課題だと思うんです。例えば今月から教員の公募も始まっていると思いますけれども、私は、個人的には、こういう時代なので、全てICTに明るい方を求めるほうに振り切ってもいいんじゃないかなと思いますので、ぜひここを意識的に、積極的に増やしていく努力をよろしくお願いいたします。
続いて、教育長に伺いますが、ハードがそろう、そして、先生のスキルを上げていくと。では、具体的に何をしていくのかということがもっと重要でして、私は、ICTをフル活用して、学校休校のような緊急時のみならず、平時からどんどん積極的に活用していくべきだと思っているんですけれども、今後の世田谷のオンライン教育、オンライン学習の在り方はどうあるべきかと考えていて、実際、来年度から何をどう進めていこうとお考えなのかお聞かせ願います。
◎渡部 教育長 委員からもお話がありましたとおり、私は今まさに教育の転換期にあると考えています。一人一台、子どもたちがタブレットを持つことになるわけですから、それは教育の在り方を大きく変えていくということになると考えています。
子どもたち一人一人がICTを活用して学ぶということは、単に教えられたことのみを実践するということとは違って、自ら未知のものに立ち向かい、探求することになります。そのためには、自分で情報を集めて、取捨選択して、多くの人と協議して、広く深い考えを持つことが必要になります。時には、教えられたことを、または、書いてあることをうのみにせず、批判的な視点で物事を評価するという力も必要になってきます。
そのためには、子どもたちの主体性や可能性を育む教育が必要です。例えば子どもたちが興味を持ったテーマに取り組んで、試行錯誤しながら、自分の力で解決を目指す課題を子どもたちに与えること、または、オンラインでつながって、オンライン上で多様な人たちとつながって、意見を聞くということです。これはいろいろな地域の方たちともつながれるわけですから、自分の考えを広げたり、深めたりする一つの方法になるというふうに考えています。これからはそういうふうに教育を転換していくべきだというふうに考えています。
教育委員会といたしましては、GIGAスクール構想により、ICT環境を最大限に生かして、子どもたちの可能性を育む教育を推進してまいります。
◆おぎのけんじ 委員 未来を生きる子どもたちの可能性を育む教育を実現するというところはぜひお願いしたいところでありますけれども、私がもうちょっと聞きたいのは、具体的にどう使っていこうとしているのかという点でありまして、例えば英語学習だとか、プログラミング学習の場面では、こういうふうな使い方をしたりだとか、あるいは、宿題は全てタブレットでやってもらうようにするだとか、今、地域の方との交流という話もありましたけれども、あるいは、他校との交流をオンラインでやるだとか、不登校の児童向けにタブレットを使ってやっていくだとか、可能性は山ほどあると思うんです。ただ、どこに焦点を定めていくかということをまず教育委員会が決めなきゃいけないと思いますし、各学校任せ、学校も各先生任せにしていたのでは、何も起こらないと私は思うんです。
熊本市はよく例に出てきますけれども、休校要請が出された後、僅か二週間でオンライン授業体制を構築したというケースが取り沙汰されまして、最近、本も出まして、私も読んだんですが、細かいところはいろいろありますけれども、そもそも市長と教育長が強く連携をして、強力なリーダーシップで一気に実現まで持っていったわけです。
世田谷は既にICTの推進という意味でも、オンライン教育という意味でも、ほかの自治体に遅れを取っていると私は思いますし、何よりも不幸なのは子どもたちですから、ぜひ、世田谷も二十三区の中でナンバーワンを目指すんだというぐらいの野心的な目標を掲げて、ソフト戦略を進めていただきたいということと、そのためには、来年度に向けて、まずは推進すべき内容というものを、具体的なものをしっかりつくって、そこに必要な予算をちゅうちょなく求めていってほしいなと私は思うんですけれども、もう一度、教育長、いかがですか。
◎渡部 教育長 今お話しいただいたとおり、熊本の例なども私も読んでいますが、僅か二週間ですることができた。ただ、熊本は三年前からずっとこういうことを見越してやっていたというところで、非常にすばらしいなというふうに感じました。やはり先を見越す力というのが私たちにとても必要だというふうに思っています。
それから、委員お話しのとおり、今、ICTに関する夢は本当に膨らんでいまして、多岐にわたっています。プログラミングはこんな形でやっていく、英語はこういうふうにやっていく。それから、家庭学習では、反転学習といって、宿題ではなくて、予習を家庭でやっていて、学校では協議をすることのみをやるなど、夢はたくさん膨らんでいます。ただ、その中で、どこに焦点を当てていけばいいのかというところは、委員おっしゃるとおり、とても大事だというふうに考えています。
それから、大切なのは、医療的ケア児や不登校とか、そういう可能性も追求していくことだと私は考えています。早急に次年度の計画を立てて、その体系については、議員の皆様にもお示ししながら、予算に関係することですので、御意見をいただきながら進めてまいりたいと考えています。
◆おぎのけんじ 委員 未知の分野に突っ込んでいこうとするならば、強力なリーダーシップが必要だと思いますし、せっかく四億円以上かけて調達したハードを無駄にしないためにも、教育長にかかる責任は重いと思います。ですから、予算を求めていく時期になってきていますので、ぜひとも具体的な計画を早々につくり上げていただいて、当然、我々議会とも議論を重ねることになると思いますけれども、積極的に進めていってほしい、期待していますので、よろしくお願いいたします。
先ほどの熊本市では、ユーチューブにチャンネルを開設していまして、子ども向けの教育コンテンツはもちろんなんですけれども、教員の方向けにズームの使い方ですとか、実物投影機の使い方だとか、ロイロノートの使い方等々が細かくアップされていまして、それぞれ五百回以上視聴されているんです。私も見て、すばらしいなと思ったんですけれども、これは全部教育委員会主導らしいんです。世田谷でも今申し上げたようなソフト戦略は、当然、教育委員会として、これから担っていかなくてはならないわけですけれども、先生だけではなくて、世田谷の教育委員会自体も組織として、ICTのスキル、感度を上げていく必要が十分にあるのではなかろうかと思うんですが、この点、いかがですか。
◎隅田 副参事 教育委員会では、GIGAスクール構想による学習環境の整備に向け、タブレット端末の整備や通信機器の整備に積極的に取り組むとともに、オンラインによる研修や、ICTによる実践事例や、教材のデータベース化を進めるなどして、区立学校全体としてのICT活用スキルのレベルアップに取り組んでおります。
今後、外部アドバイザーの専門的な支援を受けるとともに、ICT活用に取り組んだ自治体の取組を参考として、教育委員会自体のさらなる底上げを図り、学校のICT活用を牽引してまいります。
◆おぎのけんじ 委員 外部アドバイザーの支援を受けるという話が今ありましたけれども、外部のコンサルみたいな方々ともある程度対等に話せないと駄目だと思うんです。言いなりになってしまうわけではなくて、世田谷の事情に合わせて話を進めていってほしいなと思いますし、先進事例は熊本以外にもたくさんあると思いますので、そういったところに積極的に視察に行っていただくだとか、学校現場から教育委員会は何も分かっていないと言われないように、ぜひ教育委員会内部の底上げもよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、図書館の未返却本への対応について伺いたいと思います。
いわゆる期限が来ても返ってこない本ですけれども、そもそもほかの自治体で督促経費がばかにならなくなってきたとか、希少本が返却されずに困っているとか、私は聞きましたので、世田谷ではどうなんだろうかなと思って、質問させていただく次第です。
中央図書館長に過去五年の未返却本等々のデータについて聞いてみたところ、累計で六千三十九冊ありまして、今年度の分は、八月十五日時点までの分が千六百二十三冊ありまして、足し上げると七千六百六十二冊がここ五年半ぐらいの間に返ってきていないということなんですが、昨年度と今年度が一気に増えている形なんですけれども、これはどういう原因なんですか。
◎谷澤 中央図書館長 あくまでも推定になりますが、令和二年二月以降、新型コロナウイルス感染症拡大で外出自粛なされた影響があると考えております。
◆おぎのけんじ 委員 コロナの影響だということですけれども、先ほど加藤委員が質問されていた宅配の返却率というのは芳しいんでしょうか。
◎谷澤 中央図書館長 宅配の返却率の数字は、申し訳ないんですが、持っておりません。
◆おぎのけんじ 委員 分かりました。
延滞している方への督促件数ですけれども、昨年、中央図書館だけで一万八千八百十五件あるんです。これは電話が一万三千六百七十一件、はがきを送ったのが五千百四十四件で、その合算ということです。同じ人に二回対応したとかを含めた延べ件数だと思いますけれども、ちなみに、今年度は十月三日の時点で七千四十九件、督促対応しているということです。
ちょっと聞きましたら、督促業務を担当する嘱託の方が土日にまとめて電話対応しているということなんですけれども、さっき申し上げた、昨年度、電話が一万三千六百七十一件あったということで、これを土日で割り返すと、一日当たり百三十六件電話していることになるんですけれども、これは本当ですか。
◎谷澤 中央図書館長 嘱託員十二人で手分けをして電話しております。この数字がその数字になります。
◆おぎのけんじ 委員 十二人いて、そのうち何人で対応されているか分かりませんけれども、いずれにしても、これはちょっと普通じゃない数字だと思うんです。その方々も、当然、ほかの仕事があるんだと思いますが、仕事を充てがうために督促業務を据え置いているようなふうにも思わざるを得ないようなところもあると私は思っているんです。
そもそもでちょっとお聞きしますが、現状の延滞のルールだとか、ペナルティーとか、督促方法というのは、これでいいとお考えなのか教えてください。
◎谷澤 中央図書館長 現在、メール、電話、あるいは、はがきを使って、段階に応じて督促を行っておりますけれども、課題はあると認識しております。
◆おぎのけんじ 委員 ですよね。今のままだとまずいと思うんです。図書館では当たり前の作業になっているのかもしれませんけれども、本来は発生してはいけない業務と発生してはいけない経費が膨らみ続けているわけです。はがきも区内全二十三施設で、昨年度、約二万九千枚出していまして、はがき代だけでも百八十五万かかっているわけです。ですから、この無駄な経費と業務を極力減らしていかなければいけませんし、本も区の財産でありますから、しっかり守るという意識を持って、今後取り組んでいただきたいと思います。
ついては、一回、ゼロベースで延滞ルール、ペナルティー、督促方法等々について見直していただいて、今後、実効性のある対策を打ち出していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎谷澤 中央図書館長 現在、返却期限より四十五日経過した場合に貸出停止になるといった仕組みで運用しておりますけれども、そういった仕組みの見直しですとか、あるいは、現在、区立図書館で導入を進めております自動貸出機で未返却資料がある場合の画面表示のシステム改修を行うなどの検討を行って、未返却資料の解消に努めてまいりたいと考えております。
◆おぎのけんじ 委員 私もネットで調べるだけでしたけれども、ほかの自治体だとか、あるいは、大学の図書館なんかも、いろんな対策を打っているんです。中には、督促業務を外部委託して、一人一人訪問して取り立てるというようなことをやっている自治体は回収率が劇的に上がったそうであります。当然、お金もかかっていると思いますが、毎年やらなくても、五年に一回とか、四年に一回ぐらい、こういうことをやって、世田谷区は延滞すると怖いぞというようなことを区民の方々に認識してもらうというようなことも有効だと思いますので、ぜひ参考にして、取り入れる部分は早急に対応していただきたいと思いますけれども、再度、いつからやりたいかみたいな意気込みをお聞かせください。
◎谷澤 中央図書館長 今、委員からお話しいただいたような事例ですとか、他自治体の状況もきちっと把握をして、研究して、まずは、そういった課題を解決するような取組をする担当チームがありますので、そういったところで担当していって、早急に検討していきたいと考えております。
◆おぎのけんじ 委員 最近、自治体によっては、図書の本の貸出しをマイナンバーカードを使ってやっているみたいなことを実証実験的にやっている自治体も出てきたようでありますし、ぜひ、図書館の業務自体も、オンライン化できるところは―しているところも結構あるとは思いますが、業務効率化の観点だとか、そういったところも含めて、もう一度見直しをして、今後取り組んでいただければというふうに思います。
以上で自民党の質疑を終わらせていただきます。