令和元年決算特別委員会|10月1日
都知事と区長の個別会談
行政評価
事務事業評価
EBPM
都知事と区長の個別会談
都知事と区長の個別会談について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
行政評価・主要施策の成果
事業の成果や費用対効果が予算編成に十分反映されていない課題を指摘し、客観的な評価と事業見直しの徹底を求めました。
質問全文
令和 元年 9月 決算特別委員会-10月01日-02号
◆おぎのけんじ 委員 きょうは都民の日ですけれども、私からは、まず、東京都の小池都知事が、東京都下の全市区町村長と個別会談をすると表明された件について伺っていきたいと思います。
二十三区の首長さんの中には、あれは小池さんの政治的なパフォーマンスであって、それにくみするつもりはないということで拒否をされた方もいらっしゃると聞いていますが、世田谷の保坂区長は、会談に臨まれるという意思決定をされて、来週の八日に会談が設定されたというふうに聞いておりますけれども、私もやらないよりはやったほうがいいと思いますし、会談をするならば、何かしらの成果、果実を得てほしいなと思っているわけなんですが、保坂区長は、二十分という限られた短い時間だと聞いていますけれども、その中で、どんなことをテーマに意見交換をしようとされているのか、まずお聞きします。
◎保坂 区長 おっしゃるように、これまでは二分間という非常に短い時間で、一堂に会する形でまとめて答弁するような、そういった形の意見交換が何年か続きました。今回は二十分ということなので、一応時間は十倍になったわけで、これを一応インターネット中継もされながらやるんだというお考えのようでございます。公開するのはよいことだと思いますが、あれもこれも全部盛り込むというと中途半端になってしまうというふうに思いまして、今検討しているところですが、例えば待機児童対策の中で、待機児童のいろんな緊急対策、これは国と都がそれぞれ連動しながら、我々世田谷区の取り組みを結果として支えてくれたというところがあって、そこは評価、感謝しているわけですが、これはまだまだ根深い。そんなに急には、無償化されましたので、潜在保育需要も上がってくるということで、緊急保育対策は期間がございます。こういった期間についてどういう認識を持っているのか。我々としてはまだまだ緊急だという問題意識で、そういうところを掘り下げられないかとか、あるいは東京二〇二〇大会、オリンピック・パラリンピックがございます。こういった中で、まだ区民参加というところ、あるいは特に子どもたちの将来の大きな記憶になるようなかかわりの仕方ということについて、もっと工夫ができないかとか、あるいはこの間ずっと問題になってきて、東京都でもようやく会議体を持ちましたけれども、ひきこもり対策。これは区の場合は四十歳以下でやってきましたけれども、四十歳ですっぱり切れるものではなく、四十代、五十代、こういった方で長期化している例もあるということが社会問題になってきていますので、これらのめり張りを、最終的に何日か前に絞り込んで、お話ししてきたいと思っています。
◆おぎのけんじ 委員 今、区長から喫緊の課題ということで何点かお話しありましたけれども、それも当然大事なことだと思いますが、特別区長会というチャネルを使って言えるようなことだとか、あるいはどの区の区長さんでも言えるようなことではなくて、やっぱり世田谷区が直面している課題だとか置かれている状況、あるいは予想される未来みたいなものをきちんと都知事に打ち込んで欲しいなと思うわけなんですね。
例えば児相が四月にオープンしますけれども、それに次ぐ都区制度改革の材料を投げかけるとか、例えば世田谷区は百万人が来ることはもう見えているわけですから、そのときに都市計画決定権限がないと、具体的にこういうことが困るんですというようなことを投げかけるチャンスだとも思いますし、あるいはさきの本会議で出ていましたけれども、旧玉川高校の跡地の活用のあり方について多少意見交換をするとか、もう少し世田谷に寄った具体的な議論を展開してほしいなと個人的には思うんですけれども、いかがですか。
◎保坂 区長 都区制度改革のまさにきしみ合いが十年続いて、ようやく児相が移管となると。その児相の移管のことで、ある意味とまっていた都市計画決定権限初め課税自主権等々のさまざまな分権改革がとまってきたということは大変大きな問題で、二十分という限られた時間ではありますが、今の御提言を受けて、これはその問題だけで話すということは多分できないと思いますけれども、世田谷区は分権改革を進める立場だということで、区でやったほうがいい事業、あるいは判断権限というのはあるわけです。これについては一層しっかり改革を進めるようにということは、申し上げていきたいと思います。
◆おぎのけんじ 委員 都区制度改革なんていうのは、やっぱり世田谷区が声を大にして言うことが一番説得力があると思いますので、あと一週間あるということですから、今、区長には、政治家として何を都知事に訴えるべきなのかをじっくり考えていただいて、臨んでいただきたいというふうに思います。
続きまして、事業評価について伺っていきたいと思います。
先ほど政経部長からも説明がありました「世田谷区各会計主要施策の成果」という冊子についていろいろ伺っていきたいと思っていますけれども、まず、この冊子、区長はお読みになったかどうか。お読みになったのであれば、どんな感想を持たれたのか、お聞きします。
◎保坂 区長 冊子になる前から、どういうふうにつくっていくかということを打ち合わせして、表記のありようなどについて意見交換もしてきました。とりわけ新公会計制度が導入されたというところが今回の最初の報告であるわけですから、その点が、フルコストや事業実施単位などのコストを算出する、また、そのことによって達成状況を明らかにした上で、成果指標というふうに従来掲げてきたことにどのように迫っているかと。あるいは迫っていなければ、それはいかなる内容かということについて、職員がそれぞれの仕事に取り組んでいるわけですが、区政の全体性の中から、コストも含めて仕事の重みとか現状を判断するために、ぜひこれを活用していきたいなというふうに思います。
ただ、この中にも表記されておりますけれども、これは一年目であるということで、例えば成果達成ができなかったのはなぜかというような十分な掘り下げ、あるいはそのコストの妥当性がいかなるものかということについて、まだ多角的な判断までは至っていないという部分を課題として残しています。これは毎年やっていくわけで、経年の比較であるとかいうことで、さらに客観的評価をしていくというふうにしたいと思います。
また、この区政全体を評価する上で、事業成果の評価が、いわゆるコストや数値で見るのがぴったりであるというジャンルと、例えば区民サービス、福祉、教育など、区民の利便性とか、あるいは生活の質的向上、あるいは充実感、幸福度向上、暮らしやすさと、なかなか企業にはない自治体独自、いわゆる自治体ならではの価値もあるだろうと。それらを合わせた総合的評価というところがあって初めて、全体像の評価になってくるのかなというふうに感想を持ちました。
◆おぎのけんじ 委員 るる御答弁いただきましたけれども、今区長がおっしゃっていた中に、この新公会計制度の導入に伴って十分なことができなかったということをおっしゃられていましたけれども、さっき御説明されたこの資料の中にも、一八ページなんですが、上から三行目に同じようなことが書かれています。ちょっと読ませていただきますけれども、新実施計画(後期)の開始年度であり新公会計制度を用いた初の試みであるため、成果の達成要因の十分な掘り下げや、コストの妥当性を多角的に判断するまでには至らなかったということが書いてあります。私は、こういうことは思っていても言うべきではないし、ましてや区のオフィシャルな決算資料の中でテキストにするべきではないと思います。なぜならば、区の事業評価が十分にできなかった理由というのは、区民には一切関係がないからであります。
この掘り下げられていません、十分でなかったと言われる事業評価はこの後に延々と続くわけなんですけれども、じゃ、その不十分な事業評価を我々は見て、何をどう判断しろとおっしゃられているのか、私はわからない。
大体において、この新公会計制度というのは、別にきのうきょうやれと言われたものじゃなくて、もう私が議員になりたてのころから、平成三十年度決算において新公会計制度を導入して事業評価をしますよと、繰り返し繰り返し報告を受けてきましたよ。この間、職員向けの勉強会も多数開かれていたというのも知っています。にもかかわらず、初めてだったので深掘りできませんでした、済みませんという前置きで始まるのは、私はプロとしてあるまじきスタンスだと思うんですけれども、区長、違いますか。
◎保坂 区長 私もここの部分について、先ほどの答弁で触れさせていただきましたけれども、全体としてそれぞれの事業の評価、あるいはコストの検証というのは進んでいると思います。ただ、それが十分かというと、まだ課題が残るというのが正直なところで、そういう段階であれば出すべきではないという意見もあるかもしれないし、また、あるいは、ここに触れている部分、思っていても書くべきじゃないというのは一つの御意見だと思いますけれども、区としてこうやって課題を明らかにして、さらに進めていきますよという態度を表明していることと受けとめていただければと思います。
◆おぎのけんじ 委員 とても甘いと思います。
余談になりますけれども、私が新卒で入ったリクルートという会社にいたときに、若かりしころ、よく上司から言われていたのが、時たま反すうしますけれども、目標があって目的がない、それは作業であって仕事ではないと。目標があって目的がない、それは作業であって仕事ではないということをよく言われていました。私も若かりしころは、お前のやっていることは作業だと、目的を見失っているんじゃないのかというような厳しいことを言われて、しごかれてきたんですけれども、私は、この冊子の中身を見て、率直に、とてもひどいなと思いました。現場だとか、あるいは理事者の皆さんともに、新公会計制度を導入して、フルコスト計算をして、数字を丸裸にして出すということの意味、目的を全く理解していない。全く腹落ちしていないということがよくわかりました。この冊子はただの作業の寄せ集めだと思います。
一つ例を挙げますけれども、三〇六ページ、これは別に特段悪意があってこれを取り上げるわけじゃありません、一つの例として取り上げるわけですけれども、魅力ある風景づくりの推進という事業のページですけれども、この一番上、専門家(せたがや風景デザイナーによる事前調整会議の開催)という事業があります。この一番右に単位当たりコストということで、届け出一件当たり五十三万八千円という数字が載っているわけですね。トータルコストが九百十九万五千円で、届け出自体が百七十一件あったので、割り返して五十三万八千円ということのようですけれども、常識的に見て、ばか高いなと思ったわけです。何でこんなに高いのかなと思って、その次の三〇七ページを見てみますと、コスト面に関する評価という項目がありますが、その一番下段のほう、「事前調整会議は風景づくり基準の実効性を確保する制度であり、これにかかるコストは、世田谷らしい風景を守り育てる機運を醸成し、風景づくり計画に即した取組みを進めていくためには必要である」と書いてある。本来は、今私が申し上げた箇所のコストがここまで高くなった根拠をエビデンスと数字で示さないといけないにもかかわらず、何もない。ただのポエムみたいなものが踊っている。
これ以外にも実にたくさん類似しているような例というのがありまして、まだまだ言いたいんですけれども、時間の関係で割愛しますが、このコスト面に関する評価という項目が、ほとんど全ての事業で判を押したように、費用対効果は高い、投資コストは妥当であるという表現になっている。ところが、何でそうなのかという部分が、さっき指摘したように、極めて定性的で中身がないんですよ。もっと言えば、達成率という指標もばらばらで、そもそも本当にKPIの妥当性というものを部内でちゃんと検討したかどうかも疑わしいと言わざるを得ない。結局ここから導き出されるのは、コスト意識がないんだなと。もしくは、皆さんのコスト意識というのは、区民感覚と大幅にずれていると結論づけざるを得ないと、私はこれを見て思いました。しかも、区の顔とも言える新実施計画事業でこれですから。
ですから、こういう状況下で、幾ら副区長の名前で予算策定前に依命通達を出したとしても全く無意味で、問題はもっと根深いところにあると私は思うんですけれども、宮崎副区長はどうお考えになりますか。
◎宮崎 副区長 今、厳しく御指摘いただいている部分については、きっちり受けとめたいと思います。確かに、区長のほうからもちょっと申し上げましたけれども、この手法をとって初年度ということで、かなりつくり上げる段階から、この指摘についてはもうちょっと何とかならぬかということは繰り返しやってきたわけでございますけれども、結果としてこれを議会のほうにお出ししたということについては、私自身が反省しなければならないと思っております。
今般、まず冒頭のほうにお触れになりましたことについては、先ほど区長からも申し上げましたけれども、行政のコストという部分についてが、先ほど言ったエビデンスの関係については弁解の余地はないと思っております。ただ、比較の対象としての部分が、新公会計制度を地方自治体の中で例えば比較するという部分については、我々がこの間、手法としてとってきた部分についてはまだ明らかになっていない。もちろん事業そのものについてはそれぞれの自治体で違いますから、そっくりイコール状態の部分で比較できるものでもないということもわかっていますので、単純にそれができたら、きちっとしたコスト比較ができるかということでもないと思っていますので、そういう意味ではまだまだ工夫の余地がありますし、また、御指摘のありましたように、民間感覚、もしくは区民感覚という部分においては、もっとその辺についての説明責任を果たすべきだというふうに思っていますので、それについては十分反省をして、次につなげていきたい、このように思っております。
◆おぎのけんじ 委員 事務方のトップである副区長がそういう御見解なのであればまだ救いがあるかなと思いますけれども、もう一点、今回の平成三十年度の事業決算に当たって、不可解だと思っている点を指摘させていただきます。
平成三十年度予算は、組み替え動議が二件出されました。下北沢小のスクールバスとコ・ワーキング・スペース(一般型)という二つの事業が、いずれも軌道修正された上で予算が成立したという経緯があります。その決算ということであれば、その当該二事業の事業評価というものがきちんとなされてしかるべきだろうと思うんですが、それがない。かろうじてコ・ワーキングのほうは、二七三ページにそれらしきものがありまして、一番上なんですけれども、これを見ますと、KPI、目標が一。一カ所という場所の目標になっているんです。コストが七百十七万円ということで、一カ所七百十七万円で運営していれば、利用者が一人だろうが百人だろうが関係ないのかなと。私はこれをどう評価して読み取ればいいのかわかりませんけれども、こういうような中途半端なものがある。
そして、下北のバスに至っては、事業評価していないということなんですね。今回の決算のタイミングで、この新実施計画事業以外に、政経部が五十ほど事業を洗い出して評価を下しているというふうに聞いておりますけれども、その五十の中にも下北の件は入っていないということなんですけれども、なぜ所管部として、きちんとした事業評価をしなかったのか。もしくは政経部はなぜやらせなかったのか、お聞きします。
◎中村 政策経営部長 コ・ワーキングと下北沢小学校のスクールバスについて、行政評価の対象とすべきとの御指摘です。今回の主要施策の成果の冊子のほうでは、新実施計画事業を対象として行政評価を実施していますが、今御指摘ありましたとおり、これ以外にも全庁から五十事業程度の事務事業を選定して、政経部と各部で課題共有して評価することとしています。この事業選定に当たりましては、これまで継続的に執行している事業の中で、今後の見直しの可能性を探ることを目的としたことから、御指摘の二つについては今回の選定には入らなかったという経緯でございます。
◎淺野 教育次長 スクールバスの件に関しまして、所管部として御答弁申し上げます。
スクールバスの運行につきましては、学校統合により、なれない通学路を通うことになる児童や保護者の方々の不安への配慮などから、東京都の補助制度を活用し、平成三十年四月から半年間の運行を行いました。教育委員会としましては、年度ごとに取り組みを振り返り、成果の達成状況等に基づく評価を行い、次年度以降の計画や予算に反映させるものとしましての行政評価の枠組みでの評価は行いませんでした。
なお、この事業につきましては、統合に伴う対応としての見守り誘導員の配置など、幾つかの安全対策の一つとして一定の評価はできるものと考えております。
◆おぎのけんじ 委員 まだまだちょっと言いたいことはあるんですけれども、時間の関係でこれで最後にしますけれども、要するにだめな点を述べてきましたが、要は今後どうするかということだと思います。政経部並びにその後ろの副区長、区長が、今後どういうふうな観点で事業を見ていきますということをちゃんと決めて、それを通達して、運用して、俺たちは見られているんだという緊張感を現場にもたらさなきゃいけないと思うんです。加えて、評価をするにしても、必ず事実と数字を徹底的に拾わせることですよ。それができないのであれば受け付けないというぐらいの気構えで、今後、来年度決算に向けて、あるいは、この後の予算策定に向けて、ぜひとも巻き直していただきたいということを要望して、私の質疑を終え、阿久津委員に交代します。