平成31年予算特別委員会|3月12日
幼児教育無償化と保育需要
福祉職員の確保
子どもの食の支援
幼児教育無償化と保育需要
幼児教育無償化と保育需要について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
福祉職員の確保
福祉職員の確保について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
子どもの食の支援
子どもの食の支援について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
質問全文
平成31年 3月 予算特別委員会-03月12日-05号
◆おぎのけんじ 委員 ちょっと時間がありますので、一般質問で伺ったんですけれども、行政経営改革で、あのときは行政経営改革の効果額の絶対値も少ないし、あと中身も乏しいですねということで指摘をさせていただきました。経営改革という名前をつけた部署を新設した割に、何で効果額が減っているんだということは今でも思いますし、あと、改革と名づけるのであれば、その根幹をなすのは、やはり事業の見直しだとか縮小、廃止が中核に据えられるべきであろうと思いますけれども、それが一千百万円程度しかないということで非常にがっかりしたわけであります。
それとともに、この予算書の別冊の一六ページの中ほどに、時代にあった業務改善の取組み(RPAの導入)ということで書いてありますけれども、RPAも、私、以前質問させていただいたことがありますが、これはもう民間企業は言うに及ばず、自治体でもどんどん導入が進んでいて、いろんなところで効果が上がっているという話は皆さんもお聞き及びかと思います。
でありますから、私はこの世田谷区のでっかい組織の中で、このRPA導入の余地というのは存分にあるだろうというふうに思っていたわけなんですけれども、このRPAの導入の行政経営改革の効果額というのが、内訳を見ますと一千万円ということなんです。これ自体も大変つましい、寂しい数字だなというふうに思って見ていたわけなんですが、これを今きょうここで議論してもしようがありませんので、今回、私は福祉保健所管で質問するに当たりまして、このRPAで効果を上げられるとされている一千万円の内訳を知りたいと思ったわけです。
今、世田谷区の予算の半分ぐらいはこの福祉保健分野の予算になりますし、理事者の方も、ごらんのように、ぎっしりといらっしゃるわけですし、私は幸か不幸か所属したことはありませんが、常任委員会は長時間化の一途をたどっているという現状がある中で、恐らくこのRPA導入というのは、この福祉保健分野が大半なのかなというふうな仮説を持っていたわけです。要するにその仮説を確かめたくて質問しようかなと思っていたんですけれども、課長さんが、誰とは言いませんが、入れかわり立ちかわりいらっしゃって、これはどういうことなんでしょうかと、ちょっと御質問の趣旨がみたいな感じになっちゃいまして、結局、キャッチボールがなかなかできなかったと。いろいろほじくっていきましたら、この一千万円というのは、庁内全体で四千四百時間の削減を目標とすると、それに時間給の単価を掛け合わせて一千万ちょっとということではじき出しているらしいんですけれども、その具体的な中身は決まっていないと、それは決算でお示ししますということらしいんですよ。
それを聞きまして、そんなばかな話あるかなと正直思いまして、例えば車の販売で一万台販売するという目標があって、どこの販売店が何台売るかというのを決めずにやって、決算のときに何台あったか数えますというのは、普通、あり得ないと思うんですよね。それと同じことが今こうして行われているわけでして、もしくはトップダウンでいくのであれば、一千万円なら一千万円で額を決めたとしても、どこどこの所管にこれぐらいやってほしいというのがおりてしかるべきだと思うんですけれども、そういう状態になっていないということがよくわかったわけです。
これは皆さんに言ってもしようがないのですけれども、政策経営部ですか、そこの旗振りに問題があるのかもわかりませんが、にしても、この福祉保健分野というのは、さっき言ったように予算が一番多い部門でもありますし、今後、世田谷で人口がふえていくとなると、間違いなくここの所管の予算も組織も膨張していくわけだと思いますので、そこの事業改善の余地だとか、あるいは事業の縮小、廃止の余地というのは当然目を凝らしてやっていかなければならないと思いますので、ぜひとも皆さんもそうした意識を強く持っていただくことを意見として述べさせていただきます。
では、質問に移らせていただきます。
まず、幼児教育無償化に伴います保育需要の見立てと対策ということでお聞きしていきたいと思いますけれども、まず、今年度、待機児童が一位になってしまった明石市ですけれども、こういう記事がありました。
兵庫県明石市、無償化先行したら待機児童最多と。これは去年の記事なんですけれども、ちょっと御紹介させていただくと、明石市は十六年度から所得制限は設けず、第二子以降の保育料無償化を独自に開始をしたと。入所希望者がそこを大きく上回ってしまったと。おととしの四月、八百人分定員をふやしました。去年の四月、九百人分ふやしました。ただ、それを上回る希望者が出てきてしまって、結局、待機児童は今年度、五百八十六人で全国最多になってしまいましたと。
その明石市の担当者の方は、国の無償化と対象年齢が異なるので単純比較できませんけれども、明石市が直面していることが全国に広がる可能性は否めないとおっしゃっているそうであります。
この記事に二十政令指定都市と二十三区に加えて、待機児童が百人以上いる自治体の八十七市区町村に対象にアンケートをしたそうなんですけれども、幼児教育無償化によって保育ニーズがふえると予想しているのが八割以上ということらしいんです。多分、この中にも世田谷区は入っているかなと思うんですが、ちょっと改めて伺いますけれども、私自身も、三歳以上だけではなくて、その先も見据えたゼロ歳から二歳の需要というものも間違いなくふえていくだろうと思っているんですが、世田谷区はここの見立てをどうしているのか教えてください。
◎荒井 保育計画・整備支援担当課長 幼児教育無償化の実施に当たりましては、全国市長会からも国へ無償化による保育需要の拡大に対応するため、必要な措置を講じるよう要望を行っているところですが、その影響を鑑みまして、今後の保育ニーズの動向についてまずはしっかりと把握する必要があるものと認識しております。また、世田谷区においては幼稚園に入園される方も四割程度いらっしゃることから、同じく無償化の対象となる幼稚園を選ばれる方の割合についても見きわめていく必要がございます。
現在、次期子ども・子育て支援事業計画策定に向けてアンケート調査を実施したところですが、今後は、その結果をもとに幼児教育無償化を見据えた保育ニーズについて分析し、対策の取りまとめを進めてまいります。
◆おぎのけんじ 委員 余りのんびりしている場合じゃなくて、これは喫緊の課題だと思いますので、ぜひしっかりやっていただきたいと思いますけれども、先ほど他会派からもありましたが、三歳児、小規模保育含む低年齢児専用の保育施設、世田谷区内にも結構ありますけれども、そこの連携園の確保状況と、そこに登園していた二歳児の子たちというのがちゃんと進級できているのかどうかといった現状をちょっと教えていただけますでしょうか。
◎有馬 保育認定・調整課長 御指摘の小規模保育事業を含む地域型保育事業につきましては、全部で二十二施設ございますが、このうち、三歳児以降の進級先として連携施設があるのは三施設となっており、残りの十九施設については連携施設が設定されておりません。このため、連携施設のない園の場合、三歳児以降の保育の利用に当たっては、再度入園選考をお申し込みいただく必要がございますが、選考に当たり、調整基準指数として最も高い二十点の加点を行いまして、入園選考において配慮しているところでございます。
地域型保育事業の卒園児は、こうした調整基準指数の加算によりまして、これまでは仮に一次選考で内定できない場合でも、希望園を複数記入するなどの園からのアドバイスにより、二次選考ではほとんどの方が内定してきております。
一方、平成三十一年四月の選考では、結果として全ての三歳児の行き先が決まる見込みではございますが、二十点を加算しても指数が低いなど、一次選考で内定が決まらない方がこれまでよりも多く見受けられました。
今後、小規模保育事業の連携施設の確保に関し、二〇二〇年度からの五カ年の国の方針が示される予定となっておりますので、他の自治体の動向にも注視しながら小規模保育事業の卒園児に対する選考方法のあり方を検討してまいります。
◆おぎのけんじ 委員 その小規模保育以後の三歳児の対応というところで他の自治体も苦慮しているという事例がありますけれども、ちょっと御紹介させていただきますが、練馬区は小規模保育施設が五十三カ所あるそうなんですけれども、連携施設を確保しているところはほぼないということで、区のほうで区立幼稚園の三カ所の空き教室を活用して、三歳児限定の区の独自の施設を開設をしたということであります。あと大阪の吹田市なんかですと、市立小学校の敷地内に小規模保育を卒園した三歳児以降の子どもら向けの保育所を整備をしたと。今、ここに三歳から五歳の子たちが四、五十人通っているそうでありますけれども、こういったようなことは対策として捉えているそうなんですね。
私も小規模に通う既存の二歳の子たち、あるいは無償化をにらんで新規で申し込んでくる三歳児の方々、ほかの自治体のように三歳限定なのか、あるいは三歳以上にフォーカスした施策というのが今後世田谷でも必要になってくるんじゃなかろうかと思っているんですけれども、この点はいかがですか。
◎荒井 保育計画・整備支援担当課長 これまでも区では、小規模保育事業を含む地域型保育事業所からの卒園児の進級先の確保策としまして、新規に整備する認可保育園に対し、二歳と三歳の間の定員の差を設定するように促し、地域型保育事業者と認可保育園運営事業者とのマッチングを行うなどの取り組みを行ってまいりました。しかしながら、小規模保育事業の増加に伴い、連携施設の確保が難しくなってきており、幼児教育無償化による影響等も踏まえますと、御指摘の三歳児以降の幼児への対策は今後より必要になってまいります。今後の待機児童解消後を見据えますと、保育施設の適切な施設規模や年齢別の定員のありよう、特に低年齢児施設の新設につきましては、改めて検討が必要となると認識しております。
幼児教育無償化の影響の顕在化も想定される二〇二〇年度以降の保育施設整備につきましては、暫定的に二カ年で八百名程度の保育定員枠を拡大する見通しを立てて取り組んでいるところでございますが、来年度策定する次期子ども・子育て支援事業計画におきまして、ニーズ調査の結果に加え、今回のこの入園状況等も踏まえた分析を行いまして、幼児への対策も含め方針をお示ししてまいりたいと存じております。
◆おぎのけんじ 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
続きまして、児童相談所について幾つか伺っていきたいと思います。
まず、人員確保の点から幾つか伺っていきたいと思いますが、区のほうで今つくられております児童相談所設置・運営計画というものの中に、職員の確保、育成というところで計画が載っておりますけれども、例えば今年度ですと、児童福祉司で十六人、児童心理司で七名ということで、この計画は順調に確保できているというふうに聞いておりますが、これはどこから、どういうふうに調達をされているのか教えてください。
◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 児童相談所の職員につきましては、庁内からの横転者に加えまして、新規採用職員により確保してございます。新規採用職員につきましては公募により募集をいたしまして、採用試験、採用選考を行っております。児童福祉司や一時保護所に勤務する児童指導、保育士につきましては、子ども家庭支援センター、保育園、児童館などの勤務経験者の横転が中心となっております。また、任期付職員採用制度を活用いたしまして、他自治体で児童相談所長を経験した管理職を一名、また人材育成の専門指導員、非常勤職員でございますが、こういった児童相談所長の経験者など三名を平成三十年度から確保してございます。
二〇二〇年度に向けましては、特別区統一で実施しております福祉職員の採用についても、経験者採用の上限年齢が拡大されてまいりますし、また区への東京都職員の派遣等についても調整を行っているところでございます。
◆おぎのけんじ 委員 先ほど石川ナオミ委員からも紹介がありましたけれども、昨今いろんな事件がメディアをにぎわしておりますけれども、組織間の連携の問題というのも大きいんだと思いますが、明らかにヒューマンエラーだと思われるような事象も見受けられると思います。今、課長から職員確保できていますというお話がありましたけれども、そういった方々の経験値というか、能力的な与信管理みたいのはどういうふうに行われているのか教えてください。
◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 児童相談所の業務は、児童福祉に関する相談業務に携わる職員、こちらは児童やその保護者などの援助に必要な専門的アセスメント、知識や技術を持って対応いたしまして、一定の効果を上げることが期待されてございます。職員はみずからの職責の重大性を常に意識するとともに、専門性の獲得に努めていかなければならないというものがございます。
児童相談所開設以降を見据えまして、長期的な視点に立った上で求められる能力、資質を持った人材を確保すること、こちらは方針としてございます。その上で、庁内の横転の職員であれば、日常の業務の評価や意向調査による本人の意欲などを勘案して決定しております。また職員採用に当たりましては、採用試験、採用選考による筆記や面接による人物評価の上、採用及び配属先の決定を行っているところでございます。
◆おぎのけんじ 委員 我々区議団もそうですし、私も個人的に幾つか児相を視察させていただいたことがありますけれども、そのときに必ず出てくるのが、職員の方々がメンタルでちょっとやられてしまって、休職ないしはやめてしまうといったケース、どこでも必ず出てくるんですよね。確かに過酷な職場でありましょうし、幾ら経験があろうとも、なかなかそこまで難しいというケースもあるのかなと思いますが、世田谷区では、運用開始後、そうした職員の方々のメンタルを含めた心身のケアというのはどういうふうにやろう、やっていこう、そういうイメージはありますか。
◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 まず職員の配置でございますが、国の職員配置基準を遵守した人員配置というのがまず基本にございまして、その上で適切な職務の役割分担に努めますとともに、長年にわたり児童相談所職員の育成を行ってきた経験者による専門的な助言や相談支援を行うこととしてございます。
また、現在も取り組んでおります産業医、カウンセラーによる健康相談や、各種の研修を引き続き活用いたしまして、これらを職員が利用しやすい職場環境の整備を行うとともに、さらには年齢や職責に応じましたきめ細やかな支援プラン、こういったものが必要であると考えておりまして、二〇一九年度にその具体的な計画の策定を目指しているところでございます。
◆おぎのけんじ 委員 ぜひそこをしっかりやっていただいて、定着してもらえるよう、よろしくお願いをしたいと思います。
それから、開設後に関しては、そういった職員の方々がやむを得ない理由で離脱をされてしまうということも想定しつつ、採用戦略を立てていく必要があろうかと思いますけれども、ちょっと気が早いかもしれませんが、児童相談所にかかわる職員の方々への待遇面での独自加算みたいな可能性というのは今検討されているのかどうかお聞きします。
◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 職員の待遇面におきます独自加算につきましては、特別区間の給与制度の問題等がございまして、こちらは慎重に検討する必要があるというふうに考えてございます。
一方、区には保育園や児童館での相談、見守り、児童虐待の早期発見などに携わる人材が多く存在してございますので、こちらの基礎的自治体ならではのメリット、これらのメリットを最大限活用しての職員確保というのは一つ方法かと考えているところでございます。
◆おぎのけんじ 委員 来年度が児童福祉司が三十名、児童心理司が十五名と、約倍増するような計画になっていますけれども、かなり大変かと思いますけれども、ぜひしっかりと頑張ってやってください。
続いて、先日、福祉保健の委員会で報告があったと聞いていますが、児童虐待を疑われる事案に係る緊急点検についてという報告がありましたけれども、現在、厚労省から要請があった調査でありまして、二月一日以降、一度も登校していない児童生徒を対象に緊急点検をし、今月の十四日までに国に報告する義務があるというふうに聞いておりますが、現在調査を集計中とのことで、その報告を待ちたいと思いますけれども、その報告の中に、その登校していない児童生徒と面会できたかどうか。面会できた場合、虐待のおそれがあるとして警察に情報共有したかどうか。面会できなかった場合、結果を警察に情報共有したかどうかという点が報告に求められているんですけれども、この点に関する区のスタンスについて、もし決まっているようであれば教えてください。
◎松本 子ども家庭課長 学校や保育所等に在籍しており、二月一日以降一度も登校、登園していない児童や生徒で、三月八日までに学校や保育所等の職員が本人に面会できなかったケースについて、子ども家庭支援センターに随時連絡が入っております。子ども家庭支援センターでは、必要に応じ緊急支援会議を開き、対応や方針を検討し、子ども家庭支援センターと学校等とが連携して面会に行くなど対応してまいります。今後、再度面会を試みてもなお会えない場合や、児童虐待等により緊急的に子どもの安全確保が必要であると判断した場合は、随時児童相談所や警察と情報共有して児童との面会、安全確保を行ってまいります。
◆おぎのけんじ 委員 今の件とも絡むんですけれども、警察との情報共有ということで、名古屋市が政令市で初めて全件共有というのを行うといった発表がありました。これは毎月一回、虐待を受けた疑いのある児童の氏名、生年月日、住所、被害状況などを報告しますと。既に愛知県は、愛知県警とそういう全件共用の連携を行っていたと。市にも情報提供を打診していたんだが、市は警察と全件共有を行うと相談をためらう人が出てくる可能性があるということで、県の状況を見守っていたところ、県のほうで相談件数の落ち込みは見られなかったということで、実施に踏み切ったというふうになっているんですけれども、私も情報共有に関してはいろいろとあると思うんですが、ただ、子どもの命がかかっているわけでありますので、この全件共有という取り組みに踏み込んでいくことも検討に値はするのかなと思っているんですが、この点に関してお考えをお聞かせください。
◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 この間の事件を受けまして、国が取りまとめました緊急総合対策におきまして、児童相談所と警察の連携強化を掲げまして、必ず共有すべき情報の範囲、虐待による外傷がある場合など、こうしたことを全国ルールとして定めたところでございますが、全件共有までは義務づけられなかったという経過がございます。こちらの全件共有につきましては、これまでも議論が行われてきたところでございますが、児童相談所と連携がないままに警察が動いて、子どもが家庭に帰るための支援プログラムを困難にするケース等があったとして、これは慎重な意見というのが根強くあるところでございます。
区といたしましては、まず重要なルールを担保できるような充実した職員体制を整備いたしまして、まずは国の定める全国ルールに沿いながら、連携体制の構築を進めてまいります。警察のさらなる緊密な意思疎通と福祉的な支援について理解を深める取り組みを進めまして、情報共有の仕方についてもより具体化を図っていきたいと考えているところでございます。
◆おぎのけんじ 委員 慎重を期すべきという点は理解できるんですけれども、情報を共有することによるメリットというのもはかり知れないほど大きいものがあるんじゃないかなと私は思っておりまして、長谷川課長は、もうこの世田谷では児相のエキスパートだと思いますけれども、課長の見解として、この全件共有に関してはどういうお考えをお持ちなのか、もう一度お聞きします。
◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 警察との全件共有につきましては、早期に危険を察知いたしまして素早い対応ができること、こういったことなどが期待されるところでございますが、東京都におきましても、これまでも議論はされてきたものの、国の判断と同様に全件共有を行うには至っておりません。全件共有によります委員御紹介の好事例もございますけれども、これは警察との緊密な意思疎通と福祉的な支援の共通理解という下地があった上でのことと考えております。まずは全件共有の議論に先立ちまして、警察との緊密な連携の下地づくり、これに最優先に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
国が昨年七月に示しました緊急総合対策では、警察において、児童虐待への対処を適切に行うための研修等を通じて、警察としての対応力の向上に取り組む、また児童相談所と警察がケース検討や訓練などの合同研修等を実施いたしまして、連携強化を図るとされております。国でもこうした取り組みをされているところでもございますので、そういった動向も注視しながら、丁寧な意思疎通を初め、適切な連携に努めていきたいと、そのように考えております。
◆おぎのけんじ 委員 お立場があるので、はっきりとは難しいのかわかりませんけれども、世田谷区は子ども・子育て応援都市宣言というものを出しているわけで、そこからしても、子どもの命を救うということに、ためらいやちゅうちょがあってはならないと思いますし、変な建前はなしにして、警察との緊密な連携の下地づくりというところも大変重要だと思いますけれども、それと並行して、ぜひそういった実質的な取り組みもスピーディーにできるようにしていっていただきたいなというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
今の警察との連携も含めまして、この児相案件に関しては連携が一つのキーワードかなと思っておりますけれども、自治体間連携、地域間連携はもちろんですが、学校との連携だとか、地域包括との連携だとか、あるいは児童館との連携みたいなところで、いろんな形で表現されますけれども、児相のネットワークの強化というのは大変結構なことだと私も思っておりますけれども、その早期発見、見守りに注力するが余り、例えば学校現場で先生なんかは教員の多忙化というものを一つ問題視されている中で、教員の負荷が過度にまた上昇したりするようなおそれがあったりとか、あるいは児童館に専門家が張りついて目を凝らしていて、なかなか子どもが行きづらい環境になってしまうだとか、いわゆる地域一帯が児相疲れみたいな感じにならないように、それはそれできちんとほどよく地域社会の中に溶け込ませていくような手綱さばきが必要になってくるんだろうと思いますけれども、そのあたり、お考えがあればお聞かせください。
◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 区におきましては、国の緊急総合対策等を踏まえまして、この児童虐待の早期発見、見守り体制の強化を進めてまいりますが、教員や保育士などが、こちらは本来、子どもの育ちを支援する立場のこういった教員、保育士などが虐待の兆候をキャッチするために過度に業務の負担が増加すること、また監視的な視点がふえることによるお子様や御家族への負担、こういったことは懸念されるところでございます。区が目指す予防型の児童相談行政としましては、見張るためのネットワークではなく、温かなまなざしでの見守りを通しまして、子どもの様子の変化を受けとめ、早期の発見や支援につながるような、こうした連携体制づくりを進めていきたいと考えております。
◆おぎのけんじ 委員 もろもろお聞きしましたけれども、ぜひ成功するように私も願っておりますので、長谷川課長、頑張ってください。よろしくお願いします。
続きまして、子どもへの食の支援事業の実施についてという件についてお聞きしていきたいと思います。
いろいろと聞きたいことはあるんですが、まず、この事業、これは子どもの食に課題があるんだけれども必要な支援につながっていない家庭に対して、訪問して、調理をして、食事を提供したり、あるいは弁当を宅配して、その支援のネットワークに取り込んでいくという新規事業でして、年間千六百万円が計上されているという事業ですけれども、ここで資料にいろいろ書いてあるんですが、私は食に課題があるということと支援につながっていないということは切り分けて考えるべきじゃないかなと思っておりまして、そもそもそうした家庭を区の支援のネットワークに取り込めていないことのほうが問題であって、それは教育の就学援助が五〇%にしかいっていないという話と同じかなと思うんですけれども、そこの課題をちゃんと突き詰めて対策をとっていくのが先決じゃないかなと思うわけです。
今回、一つ、子ども、食というところで包括して取り組まれていくということですけれども、そもそも、何ゆえに食の支援を行うことで、支援に拒否的な家庭に入り込んでいけるという算段になったのか、その点をお聞かせください。
◎松本 子ども家庭課長 今年度実施しました子どもの生活実態調査の中で、ひとり親であることや保護者の疾患など、さまざまな事情により孤食や栄養の偏りなど子どもの食に課題があり、必要な支援にもつながっておらず、地域から孤立しやすい状況にある家庭があることがわかりました。こうした実態を踏まえ、孤立しやすい状況にある子どもとその家庭を必要な支援につなぐためのサービスとして、子どもへの食の支援事業を本年七月より実施してまいります。
支援に拒否的な家庭に対しましては、生きる基本でもある食の提供を行うことで介入がしやすくなり、サポーター派遣については無料、配食については一食百円と低価格とすることで、利用に当たっての敷居がより低くなるものと考えています。また、拒否がある対象者には粘り強く対応することで支援につなげてまいります。既に同様の事業に取り組んでいる他の自治体の状況からも、これまで支援に拒否的だった家庭が食の支援によりつながることができている状況を伺っており、食の支援は有効な手段であると考えております。
◆おぎのけんじ 委員 ちょっと聞き方を変えますけれども、ここの資料の中にも子ども食堂につながっていないというような表現がありますが、私の知り合いの方でも、一生懸命工夫して子ども食堂を経営していらっしゃる方がいるんですけれども、そもそも、これはそういった方々の民業圧迫にならないのかというふうに思いまして、むしろ子ども食堂のほうに区が支援をして、そこにつなげていくというような発想はなぜ出なかったのかなと思うんですが、この点はいかがですか。
◎松本 子ども家庭課長 子ども食堂につきましては、地域の中で共助により取り組んでいる事業でございます。今回、やはりこういった子ども食堂などにも出てこられない、地域の中になかなか出てこられない方、そういった地域から孤立しやすい家庭を支援の対象として考えておりますので、また別であり、またこういった食の支援事業から子ども食堂などにつなげていきたい、そのように考えております。
◆おぎのけんじ 委員 あとちょっと細かいんですけれども、さっき言った訪問して、調理をする形のものが二十五世帯対象、お弁当、宅配が三十世帯ということになっていますけれども、これは訪問調理と弁当の宅配は対象はどう違うんですか。
◎松本 子ども家庭課長 今回、二つの事業がございますけれども、地域住民によるサポーターの派遣により家庭内で調理を行う食の支援サポーター派遣事業につきましては、やはり家庭に入っていくということで、より関係性が築きやすくなる事業であると考えております。また、さらに支援に拒否的な家庭につきましては、そもそも自宅に入ることもなかなか拒否的であったり、そうした家庭につきましては、自宅への仕出し弁当の配達を通じた見守りを行う中で関係性を構築していき、食の支援サポーター派遣事業につなげていきたいというふうに考えております。
◆おぎのけんじ 委員 なかなかチャレンジングな事業だなというふうに思いますけれども、その支援に至るまでのハードルが高いがゆえに、この制度が使われなかったと、あるいは支援の度合いがそんなに高くない人に申請件数を稼ぐために許可しちゃったみたいなことにならないようにしていただきたいなと思いますけれども、やっぱり御飯をつくって、あるいは弁当を配達して、一年間かけて、そういった家庭との関係性を構築していって支援につなげるといったことなんでしょうけれども、実に回りくどいなという気がしていまして、支援が必要だと認めるならば、御飯をつくる前に、さっさとちゃんとした支援メニューに載せる努力をするべきなんじゃないかなと思うわけです。
子家センは、今後、児相もありますし、もっと忙しくなってくるわけですし、職員一人一人の方のスキルも高めていかなきゃいけないということで、虐待に対する危機察知能力を上げるだとか、あるいは危険な現場に飛び込む勇気と技術を高めていく、そういったことをやっていくのが先決だと私は思いますので、これは意見として述べさせていただいて、質問を終わります。