平成30年第2回定例会|一般質問
AI等を活用した業務改善
区立保育園の空きスペース活用
行政評価
事務事業評価
EBPM
AI等を活用した業務改善
AI等を活用した業務改善について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
区立保育園の空きスペース活用
区立保育園の空きスペース活用について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
行政評価と事業見直し
事業の成果や費用対効果が予算編成に十分反映されていない課題を指摘し、客観的な評価と事業見直しの徹底を求めました。
質問全文
平成30年 6月 定例会-06月14日-02号
◆三番(おぎのけんじ 議員) 第三京浜のたもと、野毛二丁目のあたりから多摩川を挟んだ反対側に、アマゾンの巨大なロゴがあしらわれた倉庫が見えます。その中では、アマゾンロボティクスというロボット在庫管理システムが稼働し、最先端技術を搭載した棚自体が倉庫内を縦横無尽に動き回り、商品を取りそろえ、スタッフのもとに自動的にやってくることで、大幅な業務効率化とスピード配送を実現しているそうであります。
さきの定例会で指摘したように、玉川地域において国分寺崖線に起因する諸課題が手つかずで長年放置されたままなのに対し、反対側の川崎では最先端技術が張りめぐらされた物流システムが動いている。この落差にそこはかとない悲しみを感じるとともに、近い将来、(仮称)等々力大橋が完成した暁には、包括協定先である川崎側から国分寺崖線下エリアの課題解決に対する画期的なソリューションがもたらされはしまいかと、淡い期待も抱かざるを得ないきょうこのごろであります。
その川崎市には、情報管理部ICT推進課という部署があり、AIを活用したサービスや自治体ポイントの運用など、区民生活の利便性向上に資する施策が矢継ぎ早に展開されています。議会からお尻をたたかれなければWi―Fi整備もオープンデータも進まない当区とは、この点においても雲泥の差があります。
さきに示された本庁舎の整備基本設計方針案の中で、職員数が現状二千九百六十五名から三千百名にふえるという記載がありました。一応、増減要素を加味したと書かれていますが、それを裏づける計算ロジックはなく、ただ決め打ちしたにすぎない数字としか見えません。区職員の働き方改革は、生産性向上ではなく人員増強により成り立たせようとしているのでしょうか。かの有名なパーキンソンの法則の一端をかいま見る思いがいたします。また、新実施計画内の行政経営改革の取り組み、情報化事業計画における取り組みを眺めても、全てにおいて具体性と実効性が感じられず、期待も持てません。
であるがゆえ、今回の質問に当たっては、AIをばりばり活用して新しいサービスを生み出せと言う気は毛頭ありません。目線をぐっと下げ、AI、ICTを駆使し、足元の業務効率化につなげるための提案を幾つかしてまいります。
さいたま市が三十人の職員で五十時間を費やしていた保育園入所希望者の割り振り作業をAIで行ったところ、所要時間はわずか数秒でほぼ完璧な結果となったという事例が有名ですが、ほかにも要介護度認定やケアプラン策定にAIを活用する自治体は数多く出てきています。特にPCでの定型作業を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション、いわゆるRPAにより世の中の事務作業の八割は自動化されると言われています。民間のリコージャパンでは、勤怠管理や財務諸表の作成など七十四種類の仕事にRPAが導入され、結果、一カ月に三千時間が捻出されたとのことです。
そうした業務効率化事例が世田谷でも生まれるよう、具体的に三点提案をいたします。
まず、経営改革・官民連携担当課が区のシステム運用にかかわる全てのベンダーからAI、RPAなどを使った業務改善提案を幅広く募るべきと考えます。事実、さいたま市では、保育システムベンダーの富士通から実証実験の提案を受け、さきのテストを実施しました。大手SIerを中心に自治体向けのプログラムも続々登場しています。今なら実証実験という名のもとにさまざまなトライ・アンド・エラーを重ねることもできます。民間の技術を貪欲に取り入れていくという気構えで今すぐ着手するよう要望いたします。
それには自治体側の見識も必要です。技術に明るい若手職員を中心としたタスクフォースを設置し、同様のテーマで代替可能な作業の洗い出しを全庁的かつ徹底的に行うことを要望します。既存の手法に一石を投じるのが若手の役割であり、使命であります。その舞台装置をぜひ用意していただきたいと思います。加えて、AIを初めとする最新技術を使った定型業務改善策を職員提案のテーマの一つに設定していただくこと、以上三点について、それぞれ区の見解をお聞きします。
次に、保育待機児の完全解消に向けて何点か伺います。
今年度の待機児童数が大幅に減少し、十年前の水準に戻ったことに私も一定の評価を示すところであります。また、待機児全体の七割弱が一歳児、地域偏在の傾向が強まったというのが今年度の特徴であろうと思います。そして今回、私が注目したのは、認可保育園における空き枠の数であります。
待機児が集中するゼロ歳から二歳における認可保育園の空き枠数は、六月五日現在で六十四名分あります。ここに六月八日時点での定期利用保育の空き枠四十二を加えると、四百八十九名の待機児童に対し、空き枠総数は百六名分あるということになります。これは単なる数字の比較にすぎないかもしれませんが、これまでの待機児対策としてとってきた量の拡大路線から、今あるリソースを無駄なくフル活用するという意味での質の向上に転換すべきタイミングが来たように思います。このアンマッチをいかに極小化していくかという点は、AIではなく、まさに関係所管の人力の見せどころではないかと思うわけであります。
特に砧・烏山地域では、ゼロ歳から二歳にそれぞれ二十六名分の定員割れが生じており、今後の新規園整備についてはより慎重な手綱さばきが求められてくると考えます。当該地域において、今後の計画上、新規整備が幾つか予定されておりますが、実際のニーズとの整合はとれているのか、現時点でつくり過ぎという懸念を持つ必要はないのか、まず確認をします。
そして、私立認可における四・五歳児の空き枠は、区内全体で九百十七名分あります。主に開園間もない私立認可の四・五歳の空きスペースを活用し、一・二歳児を受け入れるのが定期利用保育事業でありますが、先ほど述べたように、定期利用保育全体で現在四十二名分の空き枠があります。ちなみに、年度当初の定期利用保育枠は八十九名分でありました。
まず伺いますが、待機児と私立認可の余った枠の数に比べ、そもそもの定期利用保育枠が少な過ぎるように思いますが、その理由は何なのか、地域別の待機児の多寡に応じて戦略的に設けるよう誘導はできないのか伺います。
また、世田谷の定期利用保育は一・二歳児が対象、利用は一年限定、利用料は一律ですが、他の自治体ではゼロ歳児の受け入れや階層別の利用料の設定、二年間の利用期間を設定しているケースもあります。待機児がこれだけ存在するにもかかわらず、定期利用保育が埋まらない現状をどう分析しているのか。他の自治体のように利便性を上げる制度設計はできないのか伺います。
また、区立保育園においては、各地域で満遍なく三歳以上に空き枠が生じている状況であり、この流れは今後拡大する可能性が濃厚と思われます。区立保育園の空きスペース、保育士の有効活用について、一時保育以外に現時点でどのような対策を講じようとしているのか、あわせてお聞きします。
最後に、行政評価と事業見直しについて伺います。
三月の予算特別委員会において同様のテーマで質疑をさせていただきましたが、今回はその後の進捗をお聞きします。
今は六月中旬、民間では決算の発表、株主総会が相次いでいる時期であります。一方、自治体の決算は秋だという事実はさておき、行政評価、つまり各所管による事業評価は遅くとも五月中に行うべきであり、その上で政策経営部が行政評価の点検をし、見直し対象事業を洗い出し、来年度予算フレームに反映していくべきである。評価のスピードと品質が命であり、今のやり方は手ぬるく、評価の意味がないという主張をさせていただきました。その際には、ある程度前向きな答弁をいただいたという認識ですが、それを踏まえ何点か伺います。
新実施計画上の事業の行政評価は、現時点で何件所管課から上がってきていて、政策経営部においては何件点検が終了しているのか。同じく、新実施計画以外の事業の評価とあわせ、見直し対象事業の洗い出しは現時点でどの程度進捗し、来年度予算策定までどんな流れで進めていくのか、具体的にお示しください。
また、昨年度、下北沢小学校のスクールバスという世紀の愚策が生まれるに至ったのは、政経部において見込みの甘い新規事業に対する防波堤の役割が十分に機能していなかったがゆえではないかと思います。あの一件のためだけに随分と議会資本は費やされました。三軒茶屋NTTビルへの行政機能移転計画しかり、少なくとも庁内水面下、所管課と政経部、膝を詰めての議論、調整を十分にし尽くした上で議会との議論に臨んでほしいと切に願うものであります。この点に関し、区の具体的かつ明快な答弁を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎岩本 政策経営部長 私からは三点御答弁申し上げます。
初めに、AIなどを活用した業務の効率化についてです。
区では、平成三十年度からの情報化事業計画における新規事業として、行政におけるAI等の活用についての検討に取り組むこととしております。御指摘のAI、RPAなどの活用については、既に複数のベンダーから情報提供や業務改善提案を受けている状況にございます。これらの提案を生かし、具体的にAI、RPAなどを利用した定型業務の自動化などの業務改善に取り組むためには、御指摘のとおり、庁内から広く提案を募集したり庁内体制を構築する必要があると認識しております。
今後、先進的な自治体の視察を行うとともに、職員提案制度を活用し、庁内からRPAの可能な業務を募集したいと考えております。その上で、現場で職務に従事する若手職員の意見も踏まえ、事業者に課題を提示したサウンディング調査などを行っていく予定としております。本年度、経営改革・官民連携担当課を設置させていただきましたが、庁内関係部署と連携して調査研究を進め、実証実験に取り組んでまいります。
次に、昨年度事業の行政評価の進捗と今後の事業見直しについてでございます。
平成二十九年度事業の行政評価については、既に各部が新実施計画事業の目標達成度や実績等を取りまとめ、八百八十三件の全予算事業について評価を入力し、最終的な評価と議会への報告に向けて、七月中を目途に調整を進めているところでございます。現行の行政評価はアウトプット等の実績管理が中心であるため、実効性のある見直しを行うには課題があると認識しており、現在検討中の新たな行政評価では、目標達成度や費用対効果などをより明確にできるよう検討を進めております。
三十一年度予算の編成に向けては、二十九年度事業を対象に、この新たな評価手法を一部先取りする形で試行したいと考えております。試行の対象として、事業実績などから課題があると見込まれる事業を今月中を目途に抽出し、フルコストの算出による事業間比較や費用対効果の分析を行うとともに、その後、民間活用や重複事業の再編など、事業の見直しについて所管部と議論を重ねながら方向性を整理したいと考えております。見直しの具体化が可能なものについては来年度予算への反映を目指してまいります。
最後に、新規事業を実施する上での精緻な検討について御答弁申し上げます。
区では、新実施計画を初め、各分野の計画に基づく事業を着実に進めるとともに、新たな区民ニーズや行政課題に的確に応えるため、次年度の予算編成に向けて新たな事業展開や既存事業の拡充の検討を行っております。新規事業の立ち上げに当たっては、区民ニーズをしっかり捉えた上で、施策の優先順位を判断し、費用対効果の検証、民間活用を含めた事業の最適化などを十分に検討することが重要であると認識しております。新規事業の予算化に当たりましては、こうした認識のもと、予算編成の過程において、各部の事案についてさまざま議論を行っているところでございます。
今後とも具体的な事業内容について、経費の妥当性や費用対効果、運営手法などを見きわめた上で、区議会の意見も十分に踏まえながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎知久 保育担当部長 私からは、保育待機児完全解消に向けて三点御答弁いたします。
一点目、一部地域に定員のあきが生じている状況と今後の新規整備との整合について御答弁させていただきます。
現在の待機児童の状況でございますが、三歳児以降の待機児童は既に解消しており、地区によってはゼロ歳から二歳児の待機児童解消が見込まれるところも出てきております。新規開設園を中心に三歳から五歳児の定員に約千人あきが生じてございますが、このあきについては、今後の進級に伴い解消されていくものと考えております。
御指摘の砧・烏山地域においては、低年齢児の定員にもあきが生じている状況があり、比較的交通の利便性の高くない保育園などにあきが生じている傾向があると考えております。一方で、低年齢児の中でも特に一歳児の待機児童はいまだに多く、入園が厳しい状況が続いております。現在、町名別に保育施設整備の優先度や緊急度を分析し、優先度マップとして公表し、効果的な待機児童解消に向けた整備誘導を図っております。砧・烏山地域においても、このマップに基づき、優先度の高い地域に必要な規模の保育施設の整備を進めているところでございます。
今後も、地域ごとの保育需要等をよりきめ細かく分析しまして、保育施設整備の見通しを精査しながら効果的、効率的な待機児童解消に向けて全力で取り組んでまいります。
二点目でございます。定期利用保育につきまして、利用枠が少ない理由、空き枠が埋まらない理由、利便性を上げる方策について御答弁申し上げます。
新設された認可保育園の四・五歳児クラスの余裕スペースを活用して一・二歳児を中心に受け入れる定期利用保育は、待機児対策の制度の一つとして有効な手だてとなっております。
利用枠の拡大が進まない理由としては、定期利用枠用に新たに人材が必要になる場合がございますことや、施設によっては建物の構造上、幼児クラスに低年齢児専用のスペース確保が難しいこと、また、保育需要が高い地域の保育園は定員が埋まり、余裕スペースが生じないため、定期利用保育の実施につながらないといった課題がございます。現在、八十九名の定期利用保育定員に対しまして四十二名のあきが生じておりますが、これは、需要が比較的充足している地域の実施園であきが生じているということで、保育需要の地域偏在が定期利用保育にも見てとれる状況がございます。
定期利用保育につきましては、待機児童対策の臨時的な措置として実施していることもあり、現在のところ有効な特効薬はなかなかない状況でございますが、保育需要も考慮して既存園にも働きかけを行うなど実施拡大に向け取り組むとともに、御提案の他自治体の事例も参考にした改善策も含め、保育が必要な方へ効果的につなげる工夫を検討してまいります。
三点目でございます。区立保育園の空きスペース、保育士の活用についてお答えいたします。
区立保育園では約四百人の定員弾力化を図るなど、保育待機児童の解消に向けて取り組んでまいりましたが、待機児童の現状として、定員にあきが生じている地域もある一方で待機児童が多い地域もあり、地域偏在の解消が課題となっております。
区立保育園におきましては、まずは次期子ども・子育て支援事業計画策定の中で、待機児童の減少状況や地域偏在の解消等を見据えながら、定員弾力化の見直しを検討する必要があると考えております。また、平成二十四年二月に策定した今後の保育施策推進のための保育施設再整備方針に定める区立保育園が果たすべき役割を基本とし、子ども・子育て会議の提言を踏まえ、現在、区立保育園の今後のあり方についての全体像をまとめているところです。
待機児童対策の一定のめどがついた段階で、定員弾力化の見直し等により生まれる区立保育園の空きスペースや人材を、緊急・一時保育の拡充や地域の子育て支援等の区立保育園が果たすべき役割を踏まえた施策に転換し、効果的かつ効率的に活用を図れるよう対策を検討してまいります。
以上です。
◆三番(おぎのけんじ 議員) 今の待機児の件ですけれども、実際私が、砧地域で私立認可を経営されている方から、おぎのさん、来年この地域、ゼロ歳とかは定員割れするよと言われまして、実際ふたをあけてみたらそのとおりになったわけですね。私立で低年齢児で定員割れというのは、経営にとっても大きな打撃が出てくるわけでして、今おっしゃっていただいたように、定期利用保育もなかなか推進されないという現状があって、保育園というのがなかなか柔軟性に富んだ施設ではないということでもありますから、ぜひもうちょっと一段踏み込んで丁寧な整備計画をしていただくよう要望したいと思います。
それから、政経部長、随分淡々とした御答弁をいただきましたけれども、これだけ税金が外に流れているにもかかわらず、かつ経営を改革するという部署をつくったにもかかわらず、なかなかその必死さが伝わってこないというのもありますので、ぜひ今後、攻めの姿勢で取り組んでいただきたいと切に要望して終わります。