議会質問

QUESTIONS

平成30年第1回定例会|一般質問

2018.02.22

  • 行政評価

  • 事務事業評価

  • EBPM

  • 三軒茶屋NTTビルへの行政機能移

  • 国分寺崖線と共存するまちづくり

行政評価・就労支援

事業の成果や費用対効果が予算編成に十分反映されていない課題を指摘し、客観的な評価と事業見直しの徹底を求めました。

三軒茶屋NTTビルへの行政機能移転

三軒茶屋NTTビルへの行政機能移転について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。

国分寺崖線と共存するまちづくり

国分寺崖線と共存するまちづくりについて、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。

質問全文

平成30年 3月 定例会-02月22日-02号

◆三十一番(おぎのけんじ 議員) カエルを熱湯に入れると驚いて飛び出しますが、冷水から徐々に温度を上げていくと変化に気づかず、やがてゆで上がってしまう。ビジネスの場において、急激な変化には危機意識が働きやすいのに対し、変化が緩慢であると、それになれ過ぎて対応するタイミングを逸しやすく、危機を認識したときには致命的なダメージを負っている。こうした事象を称したゆでガエル理論というものがあります。

ふるさと納税、地方消費税の配分見直しによる減収ダメージ六十九億円に加え、一般会計から特別会計への繰出金は二百六十三億円にも上り、区長が吹聴していた基金残高は、いつの間にか区債残高に逆転される見通しであります。

一方、平成三十年度予算編成プロセスにおいて、区の総事業数九百三十一に対し、廃止された事業はゼロ。行政経営改革として示された効果額は、改革どころか微調整とも言うべき十七・四億円、来年度の寄附の見立ては、ふるさと納税流出額のわずか二・四%の九千七百万円、そして出てきた予算は、過去最大の三千十九億円でありました。毎年財政悪化要因がふえているにもかかわらず、まるで何事もなかったかのように予算が編成されるのを見るに、世田谷区政がぬるま湯に浸り切っており、ゆでガエルのような事業があちらこちらにへばりついているように感じます。

区長は召集挨拶において、今後、行革の取り組みとして、四年間で五十四億円の効果を上げていくと述べられておりましたが、少な過ぎて話になりません。このことからも、既存事業の見直し、新規事業の見通し、課題解決に向けた新しいアプローチ、いずれもが低い水準で停滞しているのが今の世田谷区行政ではないかと思わざるを得ません。

今回は、そのような懸念を払拭するような答弁をいただきたく、三つのテーマで質問をしてまいります。

来年度廃止される事業がゼロという既存事業の見直しに全くドライブがかからない主たる要因は、各所管による甘過ぎる自己評価、そして財政、企画サイドによる事業査定の機能不全にあると考えます。前者は、各事業の行政評価を見れば一目瞭然であります。昨年の定例会でも取り上げましたが、クオリティーの低さは相変わらず他の自治体の追随を許さず、見るにたえません。

昨年も指摘した生きづらさを抱えた若者支援事業の事業目標は、メルクマールせたがやの運営とだけあり、具体的な指標は見当たりません。事業実績は過去三年間の延べ数だけ書かれており、課題欄のコメントも全く示唆に富んでおらず、評価そのものから逃げているように見えます。六千万円もかけている事業の評価がこれで、なぜ所管において了とされているのか。恐らくは行政評価をつくることに誰も意味を見出せず、流れ作業に堕しているのだと推察します。

改めて申し上げますが、作業量が多く、内容は乏しく、使用価値が見出せない現在の行政評価の仕組みは即刻廃止するべきであります。むしろ来年度から各事業で運用される財務諸表の作成、読解、分析スキルの向上に職員の時間を割り当て、各所管のわかりづらいテキストではなく、リアルな数字に事業を語らせるべきと考えます。区の見解を伺います。

また、再来年度に向けては企画及び財政部門が各事業の財務諸表を横並びで徹底的に検証し、勇気とロジックを持って事業査定に介入し、ぜい肉を極限までそぎ落とし、筋肉質な財政基盤を築くよう強く求めます。あわせて見解を伺います。

続いて、新規事業の見通しの甘さという観点から、三軒茶屋NTTビルへの行政機能移転計画について伺ってまいります。

昨年十一月、突然白紙撤回が表明された本計画でありますが、まず大前提として、私は判断が遅過ぎたと思っております。

本計画は、当初、NTTビルに世田谷総合支所を移転する計画として立ち上がり、面積不足という結論が出たにもかかわらず、そこで話が終わらず、既存施設の集約複合化計画にさま変わりし、事業効果も明示されず、余剰スペースは又貸しするという意味不明な展開にまでなり、誰もついていけない状態になりました。区民と議会を完全に置き去りにし、行政がただひたすら迷走を続けた結果、事業計画立案スキル、民間との折衝スキル不足を露呈しただけで、多大な行政資本、議会資本を犠牲にした罪は極めて重く、二度と同じ過ちを繰り返すことはあってはならないと考えます。

その意味で区には猛省を促したいと思っているわけですが、区はあの計画をどう振り返り、総括し、今後の糧にしていくつもりなのか、まずお聞きします。

そして、十一月の資料には、現時点で十分な費用対効果の確保の見通しが立たないとの記述がありました。私は、過去二度にわたり本計画の費用対効果の算定について質問をしました。昨年二月に出されたコストの簡易検証では、比較項目と算定根拠が必要かつ十分ではないと指摘をしました。その後、九月にはなぜか賃借料の比較のみに劣化した形で提示がされました。そこで再度問いただし、十一月に精緻なものを出しますと答弁をいただいたものの、提示されることなく、交渉終了が発表されたわけであります。

結局、十一月に出すとされた本計画に係る精緻な費用対効果の算出はできたのか、できなかったのか、あるいは放棄したのか明確にお答えください。

また、交渉終了の一方、資料には就労支援機能の充実、就労困難者への一体的支援など、引き続き検討を続けるとありました。失業率が二・八%まで下がり、完全雇用とも言える状況が生まれている中で、行政が就労支援事業を拡充しなければならない理由、民間と比べた事業優位性を私は理解できていません。そうでなくとも分散しているとされる各事業の統廃合の余地は十分にあるとの認識ですが、本テーマに関し、数字面含め、どんな検討がなされているのかお聞きします。

最後に、課題に対する新しいアプローチをという観点で、国分寺崖線と共存するまちづくりについて、提案及び質問をいたします。

今回は二子玉川駅から東のエリア、主に上野毛、野毛、等々力、玉堤、尾山台をイメージして取り上げますが、国分寺崖線が織りなす坂や崖といった地形的な特徴に起因する課題は多岐にわたります。スーパーが遠く、買い物ができない、週末に息子に車で川崎まで送ってもらって食料品を買いだめている、身近な相談窓口と言いながら、崖線の下にはまちづくりセンターがなく、往復一時間はかかる、児童館に行くのにベビーカーを押しながら稲荷坂を上らなければならず、行きたいけれども足が遠のくなどなど、切実な声を数え切れないほどいただいてきました。当然ながら、スクールバスは走っておりません。

また、当該地域には土砂災害警戒区域が集中し、多摩川の氾濫も警戒しなければならず、一段上の災害対策が求められるエリアでもあります。自然が織りなす坂や崖をバリアフリーにすることは不可能でありますし、するべきではありません。しかしながら、高齢者、障害を抱える方、小さいお子さんを抱える親御さん、そうした方々にとって崖線が文字どおり高い壁として立ちはだかっていることもまた事実であります。

これまでも私は、繰り返し玉川地域における公共交通不便地域解消や買い物弱者対策を取り上げてまいりましたが、正直手応えを感じたことはなく、実際に具体的な施策は何も生まれておりません。崖線の緑を守ることだけが区の仕事ではありません。そこに住んでいる方々の暮らしにもっと思いをめぐらせ、自然と共存し、より住みよい地域にしていくために知恵を絞り、工夫を重ね、課題に立ち向かっていく姿勢を改めて行政に強く求めたいと思います。

まず伺いますが、崖線の地形に起因する諸課題について、区はどの程度重く受けとめ、また、これまで何ら対策が打ててきていない現状について、率直にどう思われているのかお聞かせください。

その上で一つ提案をいたします。この地域の課題を区の組織体系に当てはめ、個別、縦割りに解消していくことはもはや不可能であると考えます。かくなる上は、崖を乗り越えるための手法を考えるのではなく、坂や崖を超えずとも、崖線下エリアの横移動だけで済むまちづくりをソフト、ハード両面から志向していくべきではないかと考えます。そういう視点に立てば、二子玉川公園の利活用方針や区における旧玉川高校跡地の位置づけも変わってくるはずです。また、もう少し時間軸を延ばし、等々力大橋の完成や外環の延伸なども織り込んだエリアマネジメントの絵を今から描いておくべきです。見解を伺います。

また、本定例会に上程されている区立公園条例の一部を改正する条例は、このような考え方を具現化できるよいサンプルになり得ると考えます。条例改正により、区内の公園や身近な広場における物品の販売規制が大幅に緩和されることになります。ただ公園利用者の満足度を上げるという貧困な発想ではなく、公園や広場をその地域の課題を解決するための場として位置づけ、どう活用していくのかという視点で政策経営部が絵を描き、産業政策、都市整備、福祉の各種施策に落としていくことで、この条例に血が通います。まずは今申し上げたような取り組みを当該地域において速やかに実施していただくよう求めます。区の見解を伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)

◎岩本 政策経営部長 私からは、五点御答弁申し上げます。

最初に、行政評価について、定性的な評価ではなく、財務諸表を用いたリアルの評価を行うべきということと、事業査定を行うべき、この二点をあわせて御答弁申し上げます。

現在の行政評価は、新実施計画事業である施策について、目標達成度や実績、経費総額を主要施策の成果としてまとめ、区民への説明責任を果たすべく議会に御報告をしているところです。一方で、その他事業については実績のみの入力にとどまり、評価を行い、改善へつなげる取り組みに至っておらず、課題があると認識しております。

今回取りまとめました新実施計画後期の施策については、三十年度決算からとなりますが、新公会計制度の開始に伴い、職員の財務分析スキルの向上を図るとともに、新たに設定した成果指標による達成度や新公会計による間接経費も含めた総事業費を明確にし、評価手法の充実に取り組んでまいります。施策以外の事業につきましても、年度ごとに特定のテーマに絞り込むなど作業を効率化しながら、同様に成果指標と、財務的視点による分析を行う、実効性のある評価制度を目指してまいります。

事業査定についての御提案をいただきました。

予算編成前にあらかじめ、例えば重点事業について補助金やイベントなどの切り口で対象を絞り込み、事業間の比較や他自治体との比較分析を行うなどの手法を検討してまいります。

次に、三軒茶屋公共施設について二点御答弁申し上げます。

最初に、整備に至らなかったことへの区の総括でございます。

三軒茶屋における公共施設整備につきましては、駅周辺施設の移転集約による施設機能の向上に対し、費用対効果の確保の見通しが立たないことや、議会におけるさまざまな議論を踏まえ、NTT東日本の敷地を活用した整備を取りやめることを昨年十一月の常任委員会で御報告をしたところでございます。

本件土地の活用を前提に検討を進めましたが、当該事業について検討の経過や検討の積み上げに関しまして御理解いただける説明に至らず、また実施手法、費用対効果などの課題の解消が難しい中で、年度内という検討の期限も踏まえ、取りやめとしたものでございます。今後もプロジェクトの推進に当たっては、専門的知見も活用しながら、丁寧な検討の積み上げに努めてまいりたいと考えてございます。

さらに、整備に向けた検討の中では、庁内ワーキンググループを立ち上げ、集約機能の整理統合やユニバーサル就労のあり方などさまざまな検討を行っており、その結果につきましては、今後の課題解決に生かしてまいりたいと考えております。

次に、十一月に出すと言われた費用対効果についてでございます。

昨年十一月にお示ししようとしていた三軒茶屋駅周辺の公共施設整備の費用対効果につきましては、まずはコストに占める比重の大きい賃借料の縮減に焦点を当て、賃借料を縮減できないか検討を進めたところでございます。賃借料の縮減に向け、集約対象施設の再検討による床面積の縮減や、サブリースにより施設の有効活用を図ることでコスト縮減ができないかなど検討を行い、NTT東日本と協議を行いました。

しかしながら、土地の有効活用の観点から床面積を縮減した場合であっても賃借料の大幅な減額が難しく、サブリースにおいても空き室リスクがあるなど、本計画での大幅なコスト縮減が困難であると判断し、NTT東日本との交渉を終了いたしました。

昨年十一月にお示しするとした費用対効果ですけれども、このような検討の過程もあり、新たに積算し、お示しするに至らなかったものでございます。

最後に、国分寺崖線と共存するまちづくり、横断的課題の解決ができるよう、政策経営部の役割の御指摘をいただきました。

区では、地域行政制度のもと、総合支所が区民生活を起点に地域振興や防災、福祉や子育て、まちづくりなど、トータルに課題を捉え、地域の経営を担っているものと考えております。一方で、区民生活の多様化やさまざまな法制度改正により、お話しの公園の魅力向上における産業政策や福祉的課題との連携など、組織横断的に、また官民連携なども視野に入れて取り組むべき課題が増加しております。

こうした認識のもと、御指摘の課題も含め、地域の課題を各総合支所と共有し、全庁的に連携を強め、効果的な政策の形成や推進に取り組んでまいります。

以上でございます。

◎久末 産業政策部長 私からは、就労支援機能集約の検討状況について御答弁申し上げます。

区は、地域が抱える課題の雇用対策を実施するとされており、全体的な雇用状況は改善されてきておりますが、区内にはさまざまな課題を持ち、通常の求人環境ではなかなか就労に結びつかない方が一定数おります。

そのため、区では、三軒茶屋にハローワークと三茶おしごとカフェを併設し、就労困難な方へのアドバイスや相談を受けるなどの支援を行い、就労につないでおります。また、障害者、生活困窮者、若者等、それぞれ就労が困難な方についても担当する所管において就労支援を行っておりますが、複数の事情を抱えている方は、それぞれに支援を受けている方もおります。そのため、そういった方を就労に結びつけるためには、その方の特性や事情に合った業務内容や雇用形態などを広く調整する一体型支援が有効であると考えております。このような一体型支援について、新実施計画後期においてユニバーサル就労として位置づけ、今後は具体的に就労支援事業の整理や、それぞれが実施している求人開拓等の機能を集約し、相乗効果が発揮できるような仕組みをつくってまいります。

以上でございます。

◎小堀 玉川総合支所長 私からは、国分寺崖線に起因する諸課題の認識と国分寺崖線下エリアの横移動だけで済むまちづくりを描いておくべきという御提案の二点について、まとめて御答弁申し上げます。

議員のお話にありましたとおり、例えば玉川地域では、国分寺崖線の上にある東急大井町線の各駅への通勤通学や毎日のお買い物、災害時の避難行動などの観点からは、崖線の坂道は大きなバリアとなっていることが否めません。区では、これまでもバス事業者や関係所管と連携いたしまして、崖線の上の鉄道駅と崖線の下の地域とを結んだバス路線の新設などに取り組んでまいりましたが、高齢化の進展や単身世帯のさらなる増加、家族のありようが変化する中でさまざまな課題が急速に顕在化してきており、御指摘のとおり、新たな認識に立ってまちづくりを考えることが必要であると考えております。

高齢の方を初め、地域にお住まいの全ての方が大きな負担がなく、気軽にお買い物などに出かけられるように、引き続き縦横断的な移動手段の充実等に努めるとともに、国分寺崖線の下のエリアの各種公共施設機能の再確認とあわせ、二子玉川で進めておりますエリアマネジメント活動などの事例も視野に入れながら、崖線や河川などの地理的な特性を踏まえた対応をさまざまな関係所管との連携の中で総合的に考えてまいります。

以上でございます。

◆三十一番(おぎのけんじ 議員) 行政評価にしろ、三茶の件にしても、いかんせん数字に対する感度がちょっと低過ぎると思います。三茶の件は賃借料が下がればいいという話ではなくて、幾ら時間をかけても事業効果の算定がまともにできていないという、スキルもあると思うんですけれども、そもそも数字と向き合うマインドが欠落しているように思いますので、これは三千億を抱える自治体としては、私は致命的だと思いますので、ぜひ主力を尽くして全体の底上げを図っていただくよう要望いたします。

あと、国分寺崖線の件、地域の課題は地域で解決するというのが理想だと思っていますが、その点、総合支所と政経部で連携して前に進めていくという、ある程度前向きな御答弁をいただいたと思っておりますけれども、であれば、今後、総合支所に企画権限や予算をおろしていくべきだと思いますが、いかがお考えか、この点を伺います。

◎岩本 政策経営部長 先ほどの総合支所が地域行政制度のもとで地域経営を行うと、これは地域行政制度発足以来の考え方でございます。庁内部と、わずかではありますが、予算、人事権についても総合支所で違いを持っている現状がございます。ただ、この間、組織改正でも御説明していますとおり、来年四月以降、保健福祉センターを組織として設置するといったような総合支所の強化も進めてまいりますので、さらに検討を進めさせていただければと思います。

以上でございます。

◆三十一番(おぎのけんじ 議員) ぜひしっかりよろしくお願いいたします。

以上で終わります。