平成29年第1回定例会|一般質問
行政評価
事務事業評価
EBPM
官民連携の推進
行政評価と事業見直し
事業の成果や費用対効果が予算編成に十分反映されていない課題を指摘し、客観的な評価と事業見直しの徹底を求めました。
官民連携の推進
官民連携の推進について、区の現状や事業の進捗、施策の実効性を検証し、課題の明確化と具体的な改善策の実施を求めました。
質問全文
平成29年 3月 定例会-02月24日-03号
◆一番(おぎのけんじ 議員) 通告に従い、順次質問してまいります。
今年度は、社会的包摂を進め、来年度は多世代を支えてつなげる、毎年随分と手厚く八方美人の予算だなと感心しております。その反面、ふるさと納税によるダメージ、五〇%を超える民生費、増加がとまらない特別会計の繰り出しなど、財政上の懸念事項が山積する中で、あらゆる世代からの行政需要に真っ正面から応えていくだけの体力とのんきなネーミングをする余裕がどこにあるのか、甚だ疑問に思います。
行政には効率性を度外視してやらなければならないことがある一方、効率性を重んじる事業については、実績を徹底的にシビアに見るべきであります。企業経営でも行政運営においても、リーダーが捨てる覚悟を持たなければなりません。事業を冷静に判断する基準を持ち、勇気を持ってやらないことを選択する。区長の招集挨拶からも、あれもこれもの幕の内弁当的予算案からも、そのような緊迫感はみじんも感じることができませんでした。
最近区が出す資料にPDCAという文字が頻繁に踊っています。しっかりと事業の効果検証をして、あるべき姿に軌道修正していくということです。三千億といえば、民間では立派な大企業であります。大きくなればなるほど、隠れる場所も多くなることは、昨今の粉飾決算の例を見ても明らかですが、今の世田谷区行政において、区長以下、そもそも事業を透徹した目で見、勇気ある決断をすることが可能な仕組みになっているのかという点について、今回は行政評価を例にとって伺ってまいります。
行政評価本来のあるべき姿は、事業の実績を客観的に眺め、当初定められた目標がどの程度達成され、事業目的実現の貢献度合いを事実と数字ベースで判断する。そして、事業を継続するしない、するとして、所管における優先順位、人、物、金はどうするかという判断に使われる。特に予算査定のツールとして財務諸表とともにフルに活用されるべきものであると考えます。
翻って、今の世田谷区の行政評価には大きく二つ問題点があります。
一つ目は、極めて低い評価クオリティーであります。一例を挙げます。生きづらさを抱えた若者支援事業、昨年度の目標はメルクマールせたがやの運営、実績もメルクマールせたがやの運営、目標達成度一〇〇%、ただ運営していさえすれば、中身はどうでもよかったのでしょうか。ネーミングライツの推進事業の目標は、取り組み拡充、実績は空欄、目標達成度一〇〇%、拡充したかどうかわからないけれども、パーフェクトな結果だったのでしょうか。
このような内容で区民に公開されていることにあいた口が塞がりませんが、所管内でも指標のレイヤー、掘り下げ方が全く異なっていたりと、庁内のガバナンスがまるできいていないことがよくわかります。ちなみに、他の自治体においてこうした例はまずありません。
もう一つは、行政評価が毎年の予算査定において全く活用されていないということです。実際に職員の方々からそうした話も聞きましたが、資料上もそれは明らかです。
若者の社会的自立促進施策の行政評価を例にとります。昨年度の目標、セミナー参加者二百名に対して、実績九十九名、達成度五〇%。これ以外に、進路決定者、達成度七六%、就職者数八七%と、昨年度は全ての実績が目標に届きませんでした。そして、今年度の実績見込みは、さきの数字を大幅に下回る数字が列挙されています。にもかかわらず、来年度予算はほぼ据え置きです。
実績、達成度に対する評価という欄を見ると、一体的な運用を行った、定着支援の拡充を図るなど、自己評価にも課題認識にもなっていないコメントが並んでいます。実績は落ち続け、それに対する現場の危機感も全く感じられない事業に、なぜこれまで同様の予算措置がとられ続けるのか、私には理解ができません。ほかに、実績が落ち、予算は増額という不可解な案件は幾つもあることをつけ加えておきます。
先月、区は外部評価委員会から行政評価に関し答申を受けました。委員会の提言は、現状の実績評価だけでは不十分であり、参加と協働、横断的連携など、三つのプロセス評価を新たな評価軸として加えよというものですが、私の見方は異なります。今なすべきはフォーマット改定という小手先のことではなく、行政評価システムそのものをどうするのか、できるのか、できないのか。ここで言うできるとは正しく自己評価ができるということと、それを使いこなせるという意味ですが、その上でやるのかやらないのか、やるなら、形だけでなく徹底的にやれるのかを根本から見詰め直すことだと考えます。
ここでまず、三点伺います。
本区における行政評価は一体何のために実施されているのか。次に、そもそものできが悪い、予算査定に使われていないという現状に対する区の認識を伺います。また、このまま新しいフォーマットに変わっても、単純に職員の作業負荷がふえるだけです。むしろ、今ここでやめる判断をすることが未来志向でも何でもなく、今すぐ実行できる現実的な行政改革であると私は思います。それでも新たな形での行政評価をやらなければならない理由をお聞かせください。
その上で、やるならばここまで徹底していただきたいという点を四つほど提案します。
まず、何のための行政評価か、現場、幹部双方で目的を共有し、庁内に浸透させること。二つ目に、正しい事業評価、効果検証のやり方を意識、スキル両面から学び直すこと。三つ目に評価の評価。つまり、我々議会も含めた区民目線の第三者の厳しい視点による評価プロセスの導入。四つ目として行政評価の短サイクル化。民間では半期、四半期ごとに業績を分析し、改善策を講じていますが、年度内に中間評価を行っている自治体は数多くあります。これは予算規模の問題ではありません。やる気の問題です。
これらを踏まえ、三十年度から始まる新公会計制度により作成される財務諸表と新しい行政評価を予算査定フローにどう組み込み使っていくのか、所管課と財政でいつ、どのようなやりとりをするのか、そのタイムスケジュールを含めた予算策定までの全体像を、財政当局がデザインする絶好のタイミングは今だと私は考えますが、区の見解を伺います。
次に、官民連携について伺ってまいります。
さきに官民連携指針(案)が示され、四月から官民連携課が稼働することになりました。民間の英知、活力を区の事業に取り入れていくことで、事業のスピードが上がり、新たな問題解決手法も生まれ得ることを考えれば、私もこの方向性には多いに賛同するところであります。しかしながら、民間と組んだものの、事務作業がふえ、時間もコストも余計にかかり、得るものも何もなかったというのでは本末転倒です。
さきの企画総務常任委員会にて、担当所管より官民連携を行革の大きな柱にしていくという説明がありました。ならば、官民連携という取り組み自体の目的とともに、削減効果などの成果指標をきちんと置いて検証するべきです。二十九年度が終わった際、どんな状態になっていればこの取り組みは成功したと言えるのか、具体的に言語化をしていただきたいと思います。区の見解を伺います。
また、指針案の中に官民連携事業の事務手続が詳細に掲載されていますが、表現がかたく、内容も複雑で、全くわくわくしてきません。この事業を推進していく上で重要なのは、多くの民間企業に世田谷と組むとおもしろそうだと思ってもらうことです。提案募集する前に、事業が生み出す社会的価値、民間にとってのメリット、行政と連携する上で生じる弊害、留意すべきこと、それでも民間と組みたいという行政の思いを案件ごとにしっかりと整理する必要があります。民間と役所では仕事のスピード感も遠近感も違います。その違いをもう一度よく考慮した上で、今の制度設計が民間の参画意欲をかき立てる、あるいはなえさせないものになっているのか、民間出身の職員の意見を取り入れた上で、再度見直すべきと考えます。見解を伺います。
また、テーマ募集する案件は未定とのことですが、待機児対策、公共交通不便地域解消など、区の諸課題の中でも優先度が高く、かつ行政だけでは手詰まり感のあるものを、民間活力によって打開すべきと考えます。現在の想定を伺います。
今後、官民連携を本気で進めていくのであれば、現場の職員、また、それ以上に幹部職員が、民間の仕事のやり方、考え方を肌で感じる必要があります。民間出身者は庁内に多数いるという答弁をよく聞きますが、その方々が持てる力を十二分に発揮できているのか。幹部職員が転職組の能力を十分に引き出せていないのではないかとも感じます。
事業連携からさらに踏み込み、幹部人材も含めた民間企業との人事交流を図ることに対する区の見解を伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎板谷 政策経営部長 私からは、大きく二点についてお答えします。
最初に、行政評価について四点、順次お答えをしてまいります。
まず、行政評価は何のために実施されているのか、予算策定に使われていないのではないかとのお尋ねにお答えいたします。
行政評価は、区政運営を的確に行うために、行政活動に関して評価を行うものであり、計画策定、実施、評価、改善のマネジメントサイクルの中での実施をしているものでございます。
行政評価が行われる以前は、予算に基づき執行し、決算報告をするサイクルが一般的であったため、行政活動の結果の検証が十分ではない部分がございました。このサイクルに評価を導入することで、計画、実施、評価、改善のマネジメントサイクルとなり、計画の有効性、実施の際の効率性の向上等を図ることを目的に実施してございます。
お尋ねの予算編成での活用につきましては、各部が前年度決算の評価と当該年度の進捗状況に基づき、次年度予算見積もりを行っており、予算編成に反映をしております。
新実施計画事業におきましては、四年間の計画期間内での進捗管理をしており、例えば当該年度、外的要因等で事業の進捗がおくれる見込みの場合は、翌年度に実施可能な経費をローリングし、計画期間内に目標を達成できるよう調整しています。しかしながら、一部にはこうした取り組みが十分でない事業も見受けられることから、議員御指摘のとおり、見直す余地があると考えてございます。
次に、新たな評価軸を加え、行政評価をやる理由等のお尋ねです。
現行の行政評価につきましては、外部評価委員会からもプロセスを重視した視点での評価、いわゆるプロセス評価や施策の中長期的な視点での目標設定が十分ではない部分も見受けられるとの指摘とともに、新たな評価軸の必要性について提言をいただいております。
例えば投入された予算を何にどのように執行したのか、インプットとアウトプットの説明が中心となっている事業の場合、その行政活動によって地域社会にどのような影響を与えるのかといったアウトカムの設定が弱く、一部の事業では、この点が外部評価委員会からの中長期的な視点での目標設定が十分ではないという指摘につながったと受けとめてございます。
今後の行政評価につきましては、施策の中長期的な視点での目標設定に生かすとともに、新公会計制度の導入による各施策の財務分析の活用により充実したものにすべきと考えております。また、評価対象を重点政策や新実施計画事業に絞るとともに、より効果的な仕組みとすべく、アウトカムなどの成果指標による評価に注力をしてまいります。
行政評価の最後に、新しい行政評価と各事業の財務諸表を予算策定フローにどう組み込み使っていくのかにお答えをします。
予算編成過程への活用におきましては、評価の検証及び財務分析から得られた事業の有効性、効率性など、さまざまなマネジメント上の課題をもとに取り組んでいく必要がございます。まずは予算編成方針において、評価の検証及び財務分析での課題を踏まえた上での見積もりを全庁に指示いたします。その上で、各部の予算見積もりやヒアリングの際に、例えば事業効果等に課題がある事業、著しくコストが過大となる事業などの視点で査定を行い、事業終期の明確化や事業手法の転換につなげてまいります。
そうした事例の具体的な取り組みにつきましては、予算概要において明らかにするとともに、インフラ資産の影響などは中期財政見通しに反映していくことなどが考えられます。こうした新たなプロセスの導入機会を改革の起点として捉え、取り組みの実現に向けて、職員の意識改革の促進を初め、予算、執行、評価、改善のサイクルの中での効果的な取り組みを明確なものとするため、行政評価制度と予算編成手法の一層の連携充実を目指してまいります。
次に、官民連携について四点お尋ねがございました。順次お答えをしてまいります。
初めに、取り組み自体の目標についてです。
四月から運用する官民連携指針は、限られた財源の中で行政需要の増加と多様化に応え、民間企業ほか、民間団体などが持つ活力と知恵を行政に取り込み、よりよい区民サービスの提供につなげることを目的としています。
取り組み自体の目標として数値ではあらわすことが難しい部分はございますが、まず初年度である二十九年度は庁内において官民連携の仕組みを浸透させるとともに、区内外の民間企業等にも効果的に情報発信をすることで官民連携の事例を積み上げ、今後、官民連携が推進されるよう土台を構築したいと考えております。
次に、民間のスピード感等を考慮した制度設計についてのお尋ねです。
指針には民間企業等の提案から事業実施までの庁内のプロセスをわかりやすいフローチャートでお示ししています。新たな事業を実施するためには、その効果を見据えるとともに、公共性や公平性の観点から議論をする必要があり、提案によっては予算の担保が必要となり、一定の時間を要します。
こうした中で、区民ニーズに応えスピード感を持って事業化していくためには、庁内での議論をスムーズに行うことが必要であり、そのためには初期の段階で提案者との対話を繰り返し、提案内容をより具体化することが重要と考えております。民間出身の職員の意見の取り入れも含め、民間企業等が積極的に連携に参加できるよう努めてまいります。
次に、提案募集の案件を具体的かつ広範にすべきとのことです。
民間企業等からの提案につきましては、指針にもお示ししており、事業者等からの提案を自由に受け付けるもの、または区の行政課題やテーマを投げかけ、それを解決するための提案を受け付けるものと、二つの方式を基本としております。
区から民間へテーマを投げかける、いわゆるテーマ設定型につきましては、現場から上がってくるボトムアップによるものと、区全体の視点からトップダウンによる両面から推進をしていきたいと考えております。例えば、さきに上馬まちづくりセンター跡地活用において、民間事業所による施設整備を広く公募しておりますが、区有地の活用により税外収入と保育サービスの誘致を実現させる、民間ならではの取り組みを期待してございます。
まずは二つの方式を実務的に準備しながら、年度当初に民間企業等からのアイデアを広く募るため、提案募集要領をホームページで掲載していく予定です。また、行政課題の解決には民間活力の導入も有効な手段の一つとして、職員が日ごろから意識して職務に取り組み、常に活用していける環境を整えることも大切と認識しております。行政課題の解決のため、官民連携の取り組みを進めてまいります。
最後に、民間との人材交流についてのお尋ねにお答えいたします。
民間企業との人事交流につきましては、視察しました横浜市では、二年間を期限として実施したと聞いております。また、官民連携担当職員向けに独自の研修を年に二十回ほど実施しており、PFI等の知識の取得や、イノベーション、交渉術、コンプライアンスを身につけるなど、研修で職員の資質の向上を図っていると聞いております。
区といたしましても、まずは大切な資源である職員の資質の向上を念頭に官民連携を推進してまいりたいと考えております。民間との人事交流につきましては、指針運用の状況を勘案し、どのような職種や職層の交流が最も効果的か、総務部門と連携して取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
◆一番(おぎのけんじ 議員) 行政評価についてるる御答弁いただきましたが、私が言いたいのは、今のやり方では世田谷区の事業全体が適正体重なのか、あるいはメタボなのかもわからなくないですかということなんですよね。もう少ししっかりとその事業の取捨選択をするべきで、そのための手法や、別にツールは何だっていいと思いますけれども、今のやり方やこれからやろうとしているやり方がベストとは思えないので、こういう質問をしているわけで、どの自治体も御苦労されているテーマだと思いますけれども、世田谷は特におくれていると思いますので、しっかりとその自覚を持つところから始めていただきたいと思います。
それから、官民の人事交流の件、前向きな御答弁をいただきましたけれども、スピーディーな制度設計をしていただいて、積極的に取り組んでいただくよう要望して、質問を終わります。